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宮崎あおいが人を信じることの難しさと尊さを演じて別次元に…映画「怒り」 [宮崎あおい]

宮崎あおいが人を信じることの難しさと
尊さを演じて別次元に…映画「怒り」

宮崎あおい3.GIF


公開中の「怒り」(李相日監督)で、
宮崎あおいが身元不詳の男を一途に
愛する女を熱演し、新境地を見せている。
宮崎あおいは1985年生まれ、東京都出身。
映画は2001年
「EUREKA(ユリイカ)」の
演技で注目を浴び
初主演の「害虫」(02年)で
ナント三大陸映画祭コンペティション部門
主演女優賞を受賞。
その後、「NANA-ナナ-」(05年)、
「ソラニン」(10年)、
「バケモノの子」(声の出演、15年)など
さまざまな作品で活躍している。

「怒り」は、残虐な夫婦殺害事件が起こった
1年後が舞台。

容疑者は顔を整形し、依然逃亡を続けている。
千葉に住む愛子(宮崎)の元に
田代(松山ケンイチ)
▽東京で働くゲイの優馬(妻夫木聡)の
前には直人(綾野剛)
▽沖縄の女子高生、泉(広瀬すず)には
田中(森山未來)-と名乗る
3人の身元不詳の男がそれぞれ現れる。

愛する人は殺人犯なのか。

人々の心はわき上がる疑惑に揺れ…。

宮崎が演じる愛子は、千葉の漁港で、
父の洋平(渡辺謙)と2人暮らし。

精神的に幼く、町から浮き上がった
存在の彼女は、3カ月の家出の末に
東京・歌舞伎町の風俗店で洋平に
発見される。

「お父ちゃん…」

舌足らずな声で話し、純粋で薄幸そうな
表情を浮かべる愛子という人物の
リアリティーにいきなり衝撃を受ける。

宮崎はもともと実力のある女優だが、
今回の演技は別次元といえる。
家に戻った愛子は、彼女の家出中に
港に現れた田代と名乗る男にひかれていく。

「田代くんと一緒に住みたいの」

暗い過去のある男と不器用な女が身を
寄せ合って生き始める。

しかし、田代の前歴は怪しく、
テレビで流される殺人犯の特徴は、
田代と符号する点が多い。

洋平が、交番に張られた指名手配の
ポスターに見入る愛子を見付ける。

ポスターの顔は曖昧で、田代にも、
別人にも見えてしまう。
「(田代と)似てないよね?」と
笑う愛子の本心は読めない。

「お父ちゃん、私が田代君と暮らすの、
やっぱり反対?」
「そんなことないよ」
「じゃあ、心配?」
「そりゃ…」
「愛子だから?」-。

洋平に問いかける愛子の無垢な表情が、
見る者の胸を激しくえぐる。

胸中にわき上がる疑惑によって、
愛する者への信頼が破壊されていく。

愛子の一途な愛もまた、
少しずつ疑いに染まっていく。

そして、ある破局が訪れる。

演技派の俳優が多数出演する本作だが
宮崎が見せる慟哭(どうこく)は
この作品の白眉といっていい。

難役を見事に演じ切り、
大きな飛躍を遂げた
宮崎の今後が楽しみだ。
(岡本耕治)

産経新聞 9月25日(日)17時30分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160925-00000508-san-movi

映画「怒り」の予告編がみられます。
http://gyao.yahoo.co.jp/special/ikari_movie/

はく‐び【白眉】とは?。

1 白いまゆ毛。
2 《蜀(しょく)の馬氏の五人兄弟はみな秀才であったが、
まゆに白毛のある馬良が最もすぐれていたという、
「蜀志」馬良伝の故事から》多数あるもののうち、
最もすぐれているものや人のたとえ。
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