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人気ミステリー作家・湊かなえ 連続テレビドラマ『リバース』、 藤原竜也の「大根役者ぶり」が 緊張感をブチ壊す深刻な問題 [『リバース』、 藤原竜也の「大根役者ぶり」]

人気ミステリー作家・湊かなえ
連続テレビドラマ『リバース』、
藤原竜也の「大根役者ぶり」が
緊張感をブチ壊す深刻な問題

藤原竜也の「大根役者ぶり」.GIF

人気ミステリー作家・湊かなえの小説を
原作とする連続テレビドラマ『リバース』
(TBS系)の第1話が14日、放送された。

地味な会社員の
主人公・深瀬和久(藤原竜也)は
当時大学生だった10年前、
ゼミ仲間の広沢由樹(小池徹平)、
浅見康介(玉森裕太)、
村井隆明(三浦貴大)、
谷原康生(市原隼人)と
雪山にスノボー旅行に行った際、
事故で親友の広沢を亡くした
悲しさを今でも心に抱えている。

そんな4人が恩師である教授の
退官記念パーティーで久しぶりに
顔を合わせると、
そこに広沢の母親が現れる。

さらに、なぜか10年前の事件を
追っているジャーナリストの
小笠原俊雄(武田鉄矢)が現れ、
深瀬以外の3人が歩いている
ところを直撃取材して真相を
問い質すと、3人は狼狽して
タクシーを捕まえ、小笠原を
振り切る。

しかし、小笠原は4人それぞれの
周辺取材を進め徐々に彼らを
追い詰めていくなかで、
10年前の事件の真相が明らかに
されていくという設定だ。

第1話では、深瀬と広沢が学生時代に
いかに心の通じ合った親友であった
のかを回想するシーンや、
10年前の旅行当日のシーン
(事件はまだ起こらない)が流れたほか、
深瀬が日頃通う喫茶店の客で
ベーカリー販売店店員の
越智美穂子(戸田恵梨香)と出会い、
交際を始めるが、越智の元に
深瀬が人殺しだと書かれた手紙が届き、
深瀬が10年前の事件について
越智に告白しようとするところまでが
放送された。

ちなみに、第1話では広沢が実は
村井の妹・明日香(門脇麦)と
学生時代に交際していたことが
示唆されるが、明日香は谷原と
現在夫婦関係にあり、
2人の結婚に事件がなんらかの影を
落としている気配もある。

湊といえば、いわずと知れた
超人気作家であり、
根強いファンが数多くいることでも
知られており、制作サイドとしても
一定の視聴率が狙えることを
期待しているのは想像にかたくない。

湊原作の連ドラといえば、
同じくTBS系で放送された
『Nのために』(2014年)や
『夜行観覧車』(13年)が
記憶に新しいが、後者は
全話平均視聴率11.6%と2桁をキープし、
前者は同9%。両作とも
大ヒットとまではいかないまでも、
“健闘”といえる数字だろう。

そして今回の『リバース』だが、
それなりにはおもしろいのだが、
“ヒット”といえるほどの視聴率には
届かないのではないか、
というのが正直な感想である。

登場人物たちの設定もしっかりしており、
ほどよく複雑な人間関係もはりめぐら
されている。

そして当然ながらストーリーも
つくり込まれているため、
それなりには見応えはあるのだが、
第2話以降でも
「あの10年前の事件で、
いったい何があったのか?」と
いうテーマを引っ張り続けていくのは、
視聴者は少し息苦しくなってくるし、
飽きてくるのではないか。

●『リバース』の見どころ

私が個人的に同ドラマの見どころだと
感じた点は2つある。

1つ目は、越智(=戸田)の
“グイグイさ”だ。

深瀬(=藤原)は性格も内向的で
見た目もダサく、仕事もイマイチ
という設定。

にもかかわらず、そんな深瀬に、
なぜか超かわいいパン屋さん店員が、
もうグイグイ迫るのだ。

交際に発展する前には喫茶店で
偶然一緒になった深瀬に
笑顔満開で積極的に話しかけ、
突然カギを失くしたと言って
深瀬を交番に来させ、
深瀬から「ウチに泊まる?」と
いう言葉を引き出す。

そしてその日、正式な
交際スタート前にもかかわらず、
ベッドイン。

初めて出会ってから、
深瀬はさしたる努力もなく、
ただ越智にグイグイ押されるまま、
気がつけばベッドインなのだ。

そしてその越智は、めちゃめちゃ
かわいいのだ。

そんな深瀬に自身を置き換え、
ささやかな妄想ごっこにハマった
男性視聴者もいるだろう。

そして2つ目は、市原が“意外にイイ”と
いう点だ。市原といえば、
“こよなく地元を愛して、
ちょっとヤンキーっぽくてバカだけど、
情熱的で不器用でストレートで、
オレ友達が一番大事っす”的な
イメージが強かったし、
これまでそんな役が多かった(気がする)。

はっきりいって私は嫌いなタイプの
役者だった。

しかし今回、市原はエリート商社マンで、
妻と子供と高そうなマンションに
住むという役柄。

これまでの市原のイメージとは
180度違うのだが、もう100%
“男前のエリート商社マン”なのだ。

演技も醸し出す雰囲気も素晴らしく、
「少し影を持ちながら出世に
邁進する会社員」を好演している。

もしかしたら市原は、与えられたら
どんな役でもこなせてしまう、
とんでもなく器用で才能に
あふれた役者なのかもしれない。

そんな市原と対照的に、
同ドラマの重大な足かせと
なっているのが、
主演である藤原の大根役者ぶりだ。

一つひとつの動作やセリフ回しが、
いちいちわざとらしい。

藤原が何かを話したり動いたり
するたびに、それまで保たれていた
緊張感がプツンと切れてしまうのは、
同ドラマの非常に残念な部分である。

と、ここまで書いて気がついたのだが、
「越智が深瀬へ不自然なほどグイグイ
迫っていく」ということは、
つまり越智は何か重大な意図を持ち、
偶然を装って深瀬に近づき、
交際を始めたということなのか。

たとえば、実は越智は亡くなった
広沢となんらかの関係があり、
その広沢の死の真相を知るために
深瀬に近づいたのか。

はたまた、深瀬が広沢の死の原因を
つくったと考えた越智は、
深瀬に復讐するために近づいたのか――。

来週以降の放送が楽しみである。

(文=米倉奈津子/ライター)

Business Journal更新日:2017/04/15

https://gunosy.com/articles/afFyJ




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