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『SMAP×SMAP』、解散へ向かう中でも輝くSMAPという“チーム”の凄みと美しさ [『SMAP×SMAP』]

『SMAP×SMAP』、
解散へ向かう中でも輝く
SMAPという“チーム”の凄みと美しさ

SMAP×SMAP.GIF


今回ツッコませていただくのは、
8月29日放送分『SMAP×SMAP』
(フジテレビ系)の「ビストロSMAP」。
ゲストには
リオ五輪柔道男子金メダリストの
ベイカー茉秋選手が登場。
迎える中居正広は、茉秋選手の背に
手を添え、目を見ながら
「悪いねえ、こんなバタバタしてる時期に。
申し訳ない
と声をかける。

それに対し、
「あ、いえ。はい。ハハハ」
と明らかに硬い表情で笑う茉秋選手。

今、こんな状況下で、若いアスリートが
ほかに言えることもないだろう。
だが、この
「若く素直で素朴で明るいアスリート」
というのは、ベストな人選だった。
まず中居の冒頭挨拶での率直さと、
その後に続く、いつも通りユーモアや
ツッコミも交えつつきっちり進行して
いくプロの仕事ぶりは、
さすがと言うほかない。
茉秋選手のプロフィールクイズの
コーナーでは、茉秋選手を
あおりつつ盛り上げ、進行する中居と
横並びで早押しクイズに答える
木村拓哉、稲垣吾郎、草なぎ剛、
香取慎吾の姿が見られた。
ツッコんだり、ハイテンションに
頑張る木村や、一生懸命ボケる香取、
ナチュラルで「通常営業」な感じの
稲垣と草なぎ。

最後の質問「初めて買ったCDは?」
では、「男性アーティスト」という
ヒントを得て、草なぎがまず
「コブクロ」
解答。
そこから実に見事な連携プレーが続く。
中居が
「結構今、タイムリーですよね?」
と茉秋選手に聞き、
「タイムリーですね」
と答えると、木村が強い目ヂカラ
解答する。

「SMAP」
中居が
「SMAP。なんでしょうかっ」
と少し噴き出しそうになりつつ、
畳みかけて聞くと、香取が真剣な
情を作ってみせ、こう答える。

「世界に一つだけの花」
「ベタです(笑)。正解!」
ここまでの流れ、「間」の取り方も、
表情も、全て完璧だった。
そう、SMAPはコレなんだ。
茉秋選手は
「お母さんに買ってきてと言って
買ってきてもらったCD」
「当時、一番流れていた」
「今も好きです
と語った。
そのおおらかさ、素朴さも含め、
本当に今のゲストとしてベストな
人選だったと思う。

解散発表以降、日々、テレビでは
「世界に一つだけの花」
「らいおんハート」
「夜空ノムコウ」をBGMに、
悲痛な調子でSMAPの話題が繰り返され、
さまざまな媒体により、
さまざまなウワサや臆測が
囁かれてきた。

実際、ファンの悲しみ、嘆き、
空虚感は察するに余りあるものだろう。

でも、そうした報道により、
SMAP関連の番組を見ること自体、
暗く重くつらい思いになって、
目を背けている人も多数いるだろう。

ところが、この日の
『SMAP×SMAP』には驚いた。
5人揃ったSMAPがあまりにも
「SMAP」だったから。
仲が良いとか、不仲とか、
そんなつながり方をしている
わけじゃない、プロ集団の
凄みを見た気がしたからだ。

解散の本当の理由などわからない。

でも、残念ながら「年内解散」
が正式発表されたことによって、
SMAPは今、「解散」という1つの
事実に向かって、それぞれの
スタンス・アプローチ法で、
有終の美を飾るために全力で
歩み始めたように見える。

SMAPの美しさって、
ヌルい「わちゃわちゃ」
感なんかじゃなく、
まったく違う性質・価値観・考え方
の人たちが1つの目的を持ったときに、
個々の力を持ち寄って、
ともに成し遂げようとする、
プロとして、チームとしての
美しさなんじゃないだろうか。

そう思うと、12月31日に向けて、
もしかしたらSMAPはこれから
過去最高の輝きを見せてくれる
かもしれない。

にもかかわらず、不思議なのは、
さまざまな報道や、世間の声だ。

一時は「木村拓哉=裏切り者」説や
「メリー副社長老害説」
で盛り上がり、その後は
「香取慎吾が原因」
説で盛り上がり、
この日の『SMAP×SMAP』においては
「ギスギスした感じが見るに堪えない」
「もうやめてしまえ」の声が続出。

おまけに
「木村と香取はやっぱり別々の
チームだった」などと、
これまで番組を見たことがないような
妙なツッコミまで出ていた。

さらに恐ろしいのは、SMAP関連の
報道がすでに沈静化しつつあるなか、
これらのまったく異なる方向性の
バッシングを、SMAPにもジャニーズ
にも興味のない人たちが掌返しの
ようにそのときどきの時流にのって、
一斉にやっていそうなこと。

そして、色眼鏡で「見た」
気にだけなって、
一通り誰かをバッシングすることに
飽きたら、去っていきそうなこと。

メンバーの本当の思いや関係性など、
一視聴者にはわからない。

でも、この日、彼らが『SMAP×SMAP』
で見せた姿は、本当に「SMAP」だった。

それを色眼鏡で見てしまうのも、
年末にかけてのSMAPの活動を
見逃してしまうのも、
なんだか非常にもったいない気がした。

(田幸和歌子)

サイゾーウーマン更新日:2016/09/01


https://gunosy.com/articles/RP4rY

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