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もしゴジラが上陸したら?現役自衛官たちが真剣に考えてみた(上) [もしゴジラが上陸したら?]

もしゴジラが上陸したら?
現役自衛官たちが真剣に考えてみた(上)


ゴジラ3.GIF


もしゴジラが本当に東京湾から首都・東京に
上陸して大暴れしたならば、わが国自衛隊は
どう対処するのだろうか――。
今、公開中の映画「シン・ゴジラ」
(東宝系)は警察官、消防士、自衛官たち
職業本能をかき立てるものだという。

ゴジラがわが国にやってきた場合の
自衛隊のオペレーションとはいかなるものか。
防衛省、陸海空の各幕僚監部、そして
自衛隊の作戦をつかさどる統合幕僚監部に
話を聞いてみた。
(取材・文/フリージャーナリスト 秋山謙一郎)

●もしゴジラが東京を襲ったら 陸・海・空の
どの部隊が最強か? 

はたして自衛隊はゴジラに勝てるのか。

実は、この問い自体が「防衛機密スレスレ」
(元統合幕僚監部勤務・1佐)だ。

というのも、国家の防衛はセンシティブな要素を
孕んでいる。

もし防衛省・自衛隊が、任務としてこうした
検討を行っていたとなれば、われわれシロウト
からは想像もつかない、大きな問題へと波及する
恐れもあるのだ。

なので、取材は困難を極めた。
 
まず防衛省に真っ正面から
「自衛隊vsゴジラ」について聞いてみたところ、
「架空の事柄について回答することは
差し控えたい」と、
にべもない返答がかえってきた。

昨年から幾度となく食い下がったが、
オフレコといえども、とうとう回答を
もらえることはなかった。

だが本当に防衛省が
「対ゴジラ戦」をまったく想定していないか
といえば、そうではない。

防衛省本省に勤務する事務官のひとりは
こう明かす。

「防衛大学校や幹部候補生学校では、
『もしゴジラが東京に上陸して、
サンシャイン60をなぎ倒そうとした場合』に
どう対処するか、あくまでも雑談の一環と
してではありますが、語られていると
聞いたことがあります」。

さらに、こんな証言もある。

53期生として防衛大学校国際関係学部に
学んだ陸上の幹部自衛官は、
「対ゴジラ戦について防大の授業で話題に
出たことがある」
と話し、防衛省や自衛隊による対ゴジラ戦の
研究を暗に認めた。

一般大学卒の幹部自衛官も、
「幹部候補生学校の授業で話題に上った」
という。

こうしたいくつもの証言を総合すると、
防衛省・自衛隊による「対ゴジラ戦」検討は、
もはや“公然の秘密”として行われている
ものなのかもしれない。

海上幕僚監部に聞いても、担当者は
「オペレーションに関する事柄なので
統幕(統合幕僚監部)に聞いてほしい」
とその回答を頑なに拒むばかり。

しかし、
「もし、対ゴジラ戦が繰り広げられた場合、
陸・海・空の各自衛隊ではどこがいちばん
強いのか」
と聞くと、即座に、
「あくまでも自衛隊とは無関係の個人として
発言します」
と前置きし、語気を荒げて次のように語った。

「うち(海上自衛隊)がいちばん強いに
決まっているではないですか? 
もし東京湾にゴジラが現れたならば、
3時間もいただければ殲滅も駆除も可能です。
最初にP-3C(哨戒任務を行う航空機)による偵察、
それから潜水艦による魚雷攻撃、護衛艦による
艦砲射撃を行い、世界最強の特殊部隊
『特別警備隊(SBU:Special Boarding Unit)』
が出動すれば、もう大丈夫です! 」

しかしゴジラが放射能を含む火炎を口から
放射した場合、いくら精鋭で知られる護衛艦隊
といえども殲滅されるのではないか。

これについて艦艇装備を専門とする3等海佐もまた、
「個人として」と前置きし次のように回答した。

「ゴジラの放射火炎は10万度とも50万度とも
いわれています。でも、わが海自の艦艇は
それにも十分耐えられます。
その詳細は防衛機密ということで
ご理解いただきたい」

●航空自衛隊は煙幕でゴジラをかく乱! 
陸上自衛隊は3部隊統率の主導権獲得に自信
同様の質問を航空幕僚監部にぶつけてみた。

こちらも海自同様、
「作戦に関することなので統幕に」と繰り返す。

回答を引き出すべく非礼を承知で、
「さすがにゴジラには空自さんでも
勝てないですよね? 
海自さんは勝てると仰ってましたが」
と挑発してみた。

すると、担当者は、
「私人としてお話しいたしますが、
対ゴジラ戦ではうちがいちばん強いです」
とし、次のように語った。

「陸・海自と違い、空自は機動性が高いのです。
戦闘機でゴジラが情報を得る“目と耳”に
煙幕を張るなどして行動に制限を設けます。
後は政府の方針に従って…ということで。
詳細は私の立場では個人といえども
お話しできません。
オペレーションに関することなので統幕に
お願いいたします」

対ゴジラ戦では
「うちがいちばん強い」と胸を張る
海・空の各自衛隊だが、防衛最後の要といわれる
陸上自衛隊ではどうか。

陸上幕僚監部はこう話す。
「統合運用の時代、オペレーションは陸海空統合
で行われます。
なので統幕に聞いていただきたい。
ただし、もし対ゴジラ戦となれば、
そのオペレーションではうちが
イニシアティブを取らせていただくことに
なる筈です。それだけは申しておきます」

陸海空の各自衛隊のなかでもっとも控え目ながらも、
自信たっぷりな回答をした陸自の回答者に促され、
統合幕僚監部を直撃した。

「えっ? ゴジラ対自衛隊!? それは…。
架空の事案なのでお話しできません」

統合幕僚監部の担当者は笑いをかみ殺しつつ、
記者の
「対ゴジラ戦における自衛隊のオペレーションを
お教え願いたい」
という質問にこう回答した。

だが記者が執拗に食い下がったためか、
「個人としてなら何時間でもお付き合いいたします」
とにこやかに応対、こう語った。

「そもそもゴジラとは水爆実験で生まれたものと
聞いています。
なので殲滅、駆除を問わず、何が有用なのかが
わかりません。そこからのスタートですね…」

しかし何が有用かわからないといえども、
もしゴジラが東京湾に現れたなら、
これへの対処をわが国自衛隊は迫られる。

統幕勤務経験のある1佐は、
「国民の皆さまが、不明巨大生物の脅威に
怯えないよう、広報活動の一環として私見を
語らせていただく」
として、そのオペレーションの一端をついに明かした。


●自衛隊1佐がこっそり明かす
ゴジラに鳥獣保護法準用も検討!? 

「ゴジラがわが国の領海・領空に現れた段階で、
防衛省情報本部は情報をキャッチしている筈です。
内閣でも掴んでいるでしょう。
あるいは米軍からも情報提供はあるはずです。
そこでゴジラの属性について分析、
検討がなされるはずです。
これは内閣や他省庁でも行いますが、
防衛省・自衛隊としても当然行います」

この段階ではゴジラが、
(1)どこの国にも組織にも属さない単なる巨大生物、
(2)諸外国が軍事行動やテロ目的で放った巨大生物、
(3)ISのようなテロ組織がテロを目的として放った
巨大生物――のどれに当たるかで、
その対応も変わってくるという。

「軍時行動やテロ目的で放った巨大生物なら、
防衛出動の可能性も出てきます。
しかしどこの国やテロ組織にも属さないそれならば、
動物愛護法の観点からの問題も含めての対応も
考えなければなりません。
この場合は、わが国の領海・領空内に侵入した段階で、
その外に追い出すことを目的とします」

ゴジラが諸外国やテロ組織に属さない、
単なる「巨大生物」「怪獣」の場合、
たとえば東京湾にやってきても、
わが国国民に危害を加えないようであれば、
これは「駆除」の方向で対応するしかない
というわけだ。1佐が続けて語る。

「いかにして、わが国領土に侵入させないかが
ポイントです。
領海内で泳ぐ、もしくは歩いている段階で、
陸海空の各自衛隊の航空機を用いて領海外へと誘導、
ゴジラを駆除します。
捕獲は現実的には難しいでしょう」

巨大生物、怪獣であるゴジラといえども、
諸外国が軍時行動やテロ目的で放ったものでなければ、
いきなり殺処分するというわけにはいかないという。
そこには法の壁が立ちはだかる。

「クマやイノシシのように、ゴジラは『有害鳥獣』に
指定されていません。
なので現状では捕獲はおろか、
殺処分などもってのほかです。
ただし、ゴジラがわが国領海内に入り
放射火炎したならば、わが国国民に危害を
加える恐れありとして、
『鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に
関する法律(以下、鳥獣保護法)』を
準用して対応することになるでしょう」
(前出・1佐)

とはいえ、この鳥獣保護法が準用された場合でも、
自衛隊が対応するまでにはクリアすべき課題がある。

「クマ被害の際、猟友会という狩猟免許を持った
人たちが地方自治体から委託を受けて出動します。
これは自衛隊や警察といえども、狩猟免許を
持っていないという理由からです。
ゴジラが現れた場合、たとえ形式的にでも、
まず猟友会で対応できるのかどうかは
議論されるでしょう。
猟友会で対応できない、警察でも厳しいという
話になって、ようやく自衛隊の出番という形が
取られることになると私は見ています」
(同)

こうして法的な“お墨付き”が出てようやく、
自衛隊によるオペレーションが展開される。

問答無用で暴れ回るゴジラを目の前にして、
そんなことをやっているヒマが本当にあるのか、
一抹の不安を覚える話ではある。

もっとも、もしゴジラが諸外国やテロ組織が
「軍時行動」や「テロ目的」で放った怪獣ならば、
わが国領海内に侵入した段階で即、
自衛隊が対応可能だという。
.
秋山謙一郎

ダイヤモンド・オンライン 8月19日(金)8時0分配信

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160819-00099300-diamond-soci&p=1

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