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パックン(パトリック・ハーラン)、「忖度の国」日本のお笑いを本音で語る [パックン]

パックン(パトリック・ハーラン)、
「忖度の国」日本のお笑いを本音で語る

パックン.GIF
Newsweek Japan

<一発芸や漫才などは欧米に劣る? 
「コメディー」の頂点アメリカから
来たパックンが、日本のお笑い、
そして社会風刺が日本に生まれない
理由を考える。

本誌「『日本すごい』に異議あり!」
特集より。

同特集では、日本が本当に輝くための
6つの処方箋を知日派らが提示する>

日本はすごいのか?

100%の確信を持って
「すごいです」と答えよう。

とりあえず即答だ。

なぜなら、「すごい」という
言葉は褒め言葉でもけなし
文句でも使えるから。

例えば
「経験も知識もないのに米大統領に
当選したドナルド・トランプって
すごいよね!」と言うと、
褒めていることになるが、
「経験も知識もないのに
勉強しないトランプってすごいよね」
と言うと逆のニュアンスだろう。

そういう意味で、
日本はどの分野でも
「すごい」と言えよう。

すごく便利だね、
「すごい」という単語は。

さて日本のお笑いだが、
これはどちらの「すごい」に
当たるだろう。

まず、告白させてください。

これに関して、この数年で
僕の意見は変わったのだ。

多くの外国人同様、
初めて見たときは
日本のお笑いの面白さが
全く分からなかった。

「スリッパで頭をひっぱたくだけで
笑いがとれるこの国ってすごいね~」
と、軽く蔑視していた。

「コメディー」の頂点、
アメリカから来た僕にとって、
「お笑い」が解せなかった。

一発ギャグもそう。

リズムネタもそう。

熱湯風呂に入ったり、
熱々のおでんを食べたり、
乳首を洗濯挟みで挟んだり
するだけで笑いをとる
「リアクション芸」もそう。

どれもさっぱり分からなかった。

ダチョウ倶楽部さん、ごめんなさい!

漫才の面白さもさっぱりだ。

日本の芸人は、
スタンダップコメディアンの
ように1人だけで笑いはとれないのか? 

ツッコミ役のしつこい説明がないと
観客はついていけないのか? 

それから笑いをとるボケ役と、
単に突っ込むだけのツッコミ役の
ギャラって同じなのか? 

もう、訳が分からない!

自国の芸風と異なる点を全部否定する、
このうぬぼれっぷりも
「アメリカ人ってすごいな」と
振り返って思うところだが、
実は僕が芸人を目指すことにしたのは、
日本のお笑いをなめていたからでもある。

しかし、やってみると......目からうろこ! 

思った以上に、日本で笑いを
とるのは難しい。

スリッパたたきは技術のたまものだ! 

一発ギャグはセンスの結晶だ! 

ダチョウ倶楽部さん、超天才!

漫才の魅力も徐々に分かってきた。

ボケを解説してくれるツッコミ役が
いるおかげで、1人だけでは
通じないマイナーな題材も、
微妙な物まねも、細かいボケも
生きてくる。

2人なら演じられる設定も増え、
2人のやりとりで生まれる
特別なマジックもある。

漫才スタイルって素晴らしい! 

ギャラの折半はいまだに
納得いかないけど......。

技術や芸風として、日本のお笑いの
「すごさ」は理解できるようになったが、
ずっともどかしく感じている面もある。

それはネタの禁止区域の広さ。

欧米の笑いは人種や宗教の違いや
下ネタなどを題材にするものが多いが、
これはどれも日本で使えない。

もちろん、民族や宗教の多様性が少ない、
上品な国民だからウケないだけの
話かもしれない。

下ネタが嫌いじゃない僕に
とっては少し悲しいが、仕方がない。


一線を越えたときの制裁が

Newsweek Japan.GIF
Newsweek Japan


もっときつく感じるのは、
それ以外の制約。

舞台ではある程度自由にできるが、
テレビでは世間の目を常に
気にしないといけない。

企業も商品も政治家もネタには
使えない(野々村竜太郎号泣議員や
「このハゲ~」で有名な豊田真由子議員
は例外だったけど)。

アメリカのコメディアンはテレビで、
その番組の放送局やその親会社、
スポンサーを含めた企業も、商品も、
政治家も、さらに芸能人をも
どんどんネタにする。

これが当たり前。

権力者やセレブを突き落とすのが
芸人の仕事だとされているから。

体制に歯向かう芸風は健全な
民主主義のためになる。

愛国者こそ権威をこき下ろす! 

まあ、少し大げさだけど。

欧米の社会風刺的な演劇は
数千年前からあるが、
現代のコメディーの中でも
大きな存在だ。

例えばアメリカ一のお笑い番組
『サタデー・ナイト・ライブ』は
毎週、風刺コントを生放送で見せる。

そこで鋭い物まねをされていた
ホワイトハウスの
ショーン・スパイサー報道官が
解任されたのは、その番組が
発端ではないかとささやかれる
ぐらい影響力が大きい。

しかも風刺は社会や政治の動向を
反映するだけではない。

「大統領が性的スキャンダルから
国民の目をそらすために戦争を起こす」
という設定の映画
『ウワサの真相 ワグ・ザ・ドッグ』が
98年1月に全米公開された。

その直後にホワイトハウスの
実習生モニカ・ルインスキーとの
不適切な関係が発覚した
ビル・クリントン大統領が
スーダン空爆に踏み込んだように、
予言と思えるような作品もたまに出る。

そんな風刺は確実に「すごい」といえよう。

もちろん、からかいの対象になる人に
とっては面白くない。

世界でも体制側が抑制に動くケースは多く、
今年1月にはスターリンを題材にした
風刺映画がロシアで公開禁止になった。

北朝鮮の最高指導者・
金正恩(キム・ジョンウン)を
もてあそぶハリウッド映画への復讐として、
14年に北朝鮮は配給元の
ソニー・ピクチャーズエンタテインメントを
サイバー攻撃したとみられる。

風刺映画の最高傑作、
チャーリー・チャプリンの
『独裁者』は40年の発表時に、
ナチス・ドイツと宥和を
進めようとしていた多くの国で
公開禁止になった。

日本ではそんなことはない。

風刺系のエンターテインメントの
製作も公表も可能。

言論の自由は保証されているし、
「禁止事項」はどこにも
書いていない。

それでも、風刺ネタはほとんど
出てこない。

なぜだろう? 

それは目に見えない一線を
越えたときの制裁が、
目に見えるからだ。

企業が怒ると広告が消える。

政治家が怒ると、同じ政党の
政治家も取材に応えないことがある。

この仕返しは当の番組だけでなく、
その放送局の全番組まで対象になり得る。

欧米化でない独特のスキル


そんな環境では、芸人は当然自粛する。

もちろん、この暗黙の了解を
破る選択はある。

しかし、それを選択したら、
ほぼ間違いなく芸能界から
干されてしまう。

せんたくだけに、ほされる
(といったダジャレが無難な路線)!

では、世界レベルで日本のお笑いは
すごいのか? 

欧米には毎日、政治系お笑い番組で
伝えるべき情報を伝えながら
権力者を笑いものにし、
国民と体制のパワーバランスに
貢献する芸人がいる。

社会のご法度に触れたり、
議論を広げる役割を担い、
社会の進化に貢献する芸人もいる。

すごい影響力だ。

さらにアメリカの
エディ・マーフィー、

カナダのジム・キャリー、

『Mr.ビーン』でおなじみの
イギリスのローワン・アトキンソン
などのように、世界を制覇した
異次元のコメディアンもいる。

彼らは間違いなくすごい。


一方、日本のお笑いは? 

政治や社会的問題に触れることは
ほとんどないし、世界を笑わせた
芸人も極めて少ない。

それをもって「すごくない」と
言う人は、過去の僕みたいに
お笑いに挑戦したことがない
人の中には多いかもしれない。

しかし日本だけではなく、
英語圏以外の国から世界を
制覇した芸人はほとんどいないし、
欧米のコメディーを
グローバルスタンダードとし、
それに当てはまらないだけで
日本のお笑いを否定することは
行き過ぎだと思う。

他国の芸風に合わせる必要はない。

タカアンドトシさんも
懸念していたね、
お笑いの......欧米化!


日本は忖度の国。

体制側からの圧力は「すごい」。

そんな制約の多い中で笑いを
とるのも独特なスキルとして
認めるべきではないかと思う。

例えば自由形ほど速くはないが、
平泳ぎや背泳ぎなど動きが
制限される種目でメダルを取る
競泳選手だってすごいでしょ?

体制や規範に挑戦する
ショッキングなネタで笑いをとる
「アメリカンスタイル」の
コメディーはすごいけど、
人を傷つけない、怒らせない、
平和的なお笑いを繰り広げる
日本のお笑いもすごくないとは
限らない。

もちろん、自分の芸能生命を
考えて言っているわけではない。

アメリカ人は空気が読めないからね。

パックン(パトリック・ハーラン)



ニューズウィーク日本版5/11(金) 7:03配信

最終更新:5/11(金) 7:03


https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180511-00010000-newsweek-int&p=1
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180511-00010000-newsweek-int&p=2
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180511-00010000-newsweek-int&p=3


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