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ドラマ「母になる」出産「しなければ」という重圧…賛否呼んだ「あのセリフ」 女性プロデューサーの思い  [ドラマ「母になる」出産「しなければ」という重圧]

ドラマ「母になる」 出産「しなければ」という重圧…
賛否呼んだ「あのセリフ」 女性プロデューサーの思い 

放送中のドラマ「母になる」.GIF
ドラマ「母になる」で小池栄子さん演じる門倉麻子。
出産の重圧を訴えたセリフが賛否を呼びました

放送中のドラマ「母になる」
(日テレ・水曜夜)の7話
(5月24日放送)のあるセリフが
賛否を呼びました。

「『いつになったら子供を産むの?』と
言われなくなった」。

セリフの主は、3歳の春に誘拐された
結衣の息子・広(こう)を育てていた
小池栄子さん演じる門倉麻子。

セリフの真意は? 

ドラマをてがける日本テレビの
櫨山(はぜやま)裕子
プロデューサー(57)に話を聞きました。
(朝日新聞文化くらし報道部記者・湊彬子)

ドラマは沢尻エリカさん演じる
ひたむきな性格の柏崎結衣を主人公に、
「母になる」性としての3人の
女性の成長を描いたものです。

3歳の春に誘拐された結衣の
息子・広(こう)を育てていたのが、
小池栄子さん演じる門倉麻子でした。

<あの子がいることで、もう誰からも
『子供産まないんですか?』(中略)
『女性なら産まなきゃ』
『いつになったら子供を産むの?』と
言われなくなったこと>

<あの子を手に入れたことで
私は初めて自由になれたんです……>

麻子は、子育ての経験に対して、
こう言ったのです。
このセリフが賛否を呼びました。

結婚、出産「しなければ」という重圧

麻子は、結婚や出産を
「しなければ」という重圧に
追い詰められてきた女性として
描かれています。

母親からは
「女性の幸せは何と言っても結婚、出産」
などと言われ、職場で感情的になると
「子供がいないから」と同僚の陰口が
聞こえる。

誘拐犯に放置されていた広に出会い、
自分の子と偽って育てます。

セリフは、9年後に広が本当の
親である結衣夫婦の元に戻った後、
麻子と結衣が対面したシーン
でのものでした。

櫨山さんは
「脚本の水橋文美江さんと、
麻子のバックボーンをどうしようと
いう話をしている時に、
お母さんの重圧って独身の女の人に
とってすごく大きくて、
精神的に病むよね、と。
そういうものを負った人に
しようという設定を決めました」
と話します。

ドラマでは、麻子に対し結衣は
「子供が欲しいのにできなくて
かわいそうに」と無意識に言います。

その言葉に怒った麻子が発したのが
「もう誰からも
『子供産まないんですか?』
『女性なら産まなきゃ』と
言われなくなったこと」などの
言葉でした。

ネット上では麻子に対し、
「自分のことしか考えていない」
という批判や、
「共感した」
「分からないでもない。
悪気無くそういうことを
聞く人に傷つく」などの
意見が出ました。

「麻子は『かわいそう』と言われて、
頭にきたわけですよね。
そこで結衣に本音を言えと言われて、
『私の方が母親にふさわしい』と
いうことと
『うれしかったのは、
社会や親からの重圧から逃れられたこと』
という本音を言ったんです」

その麻子が負ってきたものは、
櫨山さんも体験したものでした。

独身女性への「重圧」は実体験

「私は39歳まで結婚しなかったので、
散々言われてきた。
実体験ですよね。
地方にいる親からは、
『東京出て何やってるんだ』
みたいなことを言われて」

櫨山さんは1983年に日本テレビ入社。
34歳でドラマ部門に異動します。

「30代前半が一番悩む。
仕事で成し遂げていない状況で結婚する
ことがいいのかどうかって、すごく悩んだ。
自分の限界も分からないし。
自分が何者か分からないうちに
子供を産むのが怖くてしょうがない
時期だった」

産まない人生を選択していいのか、悩んだ

悩む中で、
「やりたいようにやってみよう」と
腹をくくって手がけた
「金田一少年の事件簿」
(1995年)がヒット作となり、
その後も、
「サイコメトラーEIJI」
(1997年)、
「ぼくらの勇気~未満都市」
(1997年)などの人気作品が生まれます。

一方で30代後半に入り、
また悩みの中にいました。
櫨山さんにとって「40歳」と
いうのが大きかったといいます。

「40歳っていうのが一つのポイントと
してありましたよね。
そこまでにどうするのかというのが
ものすごくあった。

産まないで終わるのか、
産んだら仕事はどうなるのか。

産まない人生を選択していいのか、
3年くらいずっと考えていました。

朝から夜中まで外にいるような
仕事で、子供をどうやって
育てるのか皆目分からないと。

うだうだ考えて、
結局、やってみようと思ったんです」

40歳で出産。

子どもの細かな成長のことで悩む
自分自身に
「母親に向いていないと思っていた
私も右往左往するのか」と
驚きながら手がけたというのが、
自閉症をテーマにした
「光とともに……」
(2004年)でした。

「誠実に、お客さんに届くように
つくるということを、
ものすごく意識した番組」
だったといいます。

「自分の30代半ばくらいのことを
俯瞰(ふかん)で見られるように
なっていった。

右往左往して、悩み狂っていた
自分のことがね。

それで、そういうドラマも
ありだと思って、恋愛弱者の
『anego』(2005年)、
恋愛するより家で寝てたい
『ホタルノヒカリ』
(2007年)につながった」

「子が向き合う相手が親しかいない」のでは

今回のドラマ「母になる」では、
「お母さんになることに何の疑問も
抱いていなかった」結衣、
「母親からの重圧を負う」麻子、
結衣の友人で「仕事と子育ての間で悩む」
西原莉沙子(板谷由夏)という
三つの女性像を描いています。

それぞれに櫨山さん自身と
シンクロする部分があるといいます。

ただ、作品で描きたいことは、
「子育て」を巡るあることでした。
それは、
「子が向き合う相手が親しかいない」
のではという疑問です。
殺傷事件を起こした人のことなどから
感じるようになったといいます。

「本などを色々読んで不思議だったのは、
親子の関係が閉じちゃってきている
感じがしたこと。
子どもの向き合う相手が親しかいない。
私は田舎で、親戚も一緒に
住んでいましたが、子供心に、
お父さんたちの言うことだけが
正しいわけではないなと思っていた。

それが結構大事。

今は逃げ場がないというのかな。

子供にとって違う価値観をどこかで
聞いたり、見たりすることって大切。
それをやってみたかった」

「子供ってものに対して、
もっと周りが交われる社会になんないかなと。
周りと溶け合って生きるというのかな」

周りに「感受性」と「想像力」を持って

子供に周りが交わるということは
「ルール化」されるものでもなく、
一人ひとりが気が付くことだと
櫨山さんは考えます。

「それぞれの人間が、周りに、
他人に、どれだけ愛情を持って、
感受性を持って、想像力を持って
生活できているかということでも
ありますよね。

色んな価値観があっていいのだと
いう世の中になっていいんじゃないかな。
もっと仲良く生きた方が幸せじゃない」

ドラマでは広が、麻子から目上の人に
敬意を持つようにしつけられたり、
行きつけのお好み焼き店の
常連から教わった数学が得意だったりと、
様々な人から学ぶことで
「今の広」に育ったことが
描かれています。

実際の親以外の人も、
広の成長に影響を与えていたわけです。

「子どもが成長したなって思うのって、
自分とは違う価値観を持ち込まれた
時ですよね? 

結衣が、広の成長につながるならば、
(関わる人が)自分がいけ
好かない人であろうといいんだ、
という風に思えるようになること」

「それが、母としての成長なんです」

ドラマは、7日午後10時半より第9話、
14日午後10時より最終話を放送する
予定です。

withnews6/7(水) 7:00配信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170606-00000005-withnews-ent&p=1
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