SSブログ
錦織の成績を左右する大きな問題 ブログトップ

錦織圭の成績を左右する大きな問題 グランドスラム前に必要なのは「実戦」か「休養」か [錦織の成績を左右する大きな問題]

錦織圭の成績を左右する大きな問題 
グランドスラム前に必要なのは
「実戦」か「休養」か

錦織圭40.GIF
全仏オープンに臨む錦織圭。(写真:Getty Images)

「物足りない」

先週のローマ・マスターズで
ホアンマルティン・デルポトロに
敗れた時、錦織圭はそう言った。

このローマ大会で錦織が戦った
試合数は、2。

その前週のマドリード・マスターズでは
準々決勝まで勝ち上がるも、手首のケガの
ため棄権したので、こちらも戦ったのは
2試合のみだった。

来たる全仏オープンに向け
ローマ大会後は練習で課題克服に
取り組むのが、当初の
予定だったはずだ。

だが3回戦敗退の時点で錦織が何にも
増して欲したのは、実戦でしか
取り戻せぬ試合勘と、勝利に付随して
得られる自信だった。

敗戦の数時間後に急きょ
ジュネーブ・オープン出場を決めた錦織は、
ローマからパリの中間地点に当たる
湖畔の町で3試合の実戦を積み、
全仏の舞台「ローラン・ギャロス」へと
乗り込んできた。

グランドスラム前のスケジュールの
組み方は、10年のツアー転戦を
重ねてきた錦織たちにしても、
未だに頭を悩ませる問題だ。

錦織がグランドスラム前週の大会に
出た最後のケースは、2011年の
全米オープン時のこと。

とはいえ当時の錦織のランキングは
50位前後で、今とは状況が大きく異なる。

ちなみにこの年の全米では、
錦織は初戦を途中でリタイア。

「グランドスラムの前の
週は休むのが理想」
と悟ったこの時の教訓があり、
以降は今回の全仏以外、
グランドスラムの前週は全て
調整に充ててきた。

「グランドスラムの前は、
思い切って休んだ方が良いのかと
思ったこともあった」のは、
決勝に勝ち上がった2014年の全米前に、
足の裏に出来た“胞のう”除去のため
3週間以上実戦から遠ざかった
過去があるからだ。

しかし翌年の全米では、
2週間の休養を取り万全の状態で
挑んだにも関わらず、
初戦でよもやの敗戦を喫する。

ちなみに、ベスト4に勝ち進んだ昨年の
全米では、大会前週こそ休んだものの、
その前はカナダから五輪出場のために
ブラジルのリオへと飛び、
最終日まで戦ったその足で北米に
戻ってシンシナティ・マスターズに
出るという、最も過酷な夏を
過ごしていた。


実戦と休養のバランスの方程式は、
かくも解くのが難しい。

恐らくは今、その両要素が心身の
内側でせめぎ合っているだろう
錦織にとって、全仏で求められるのは
1~3回戦で体力を消費することなく
勝ち上がり、自信を積み上げて
行くことだろう。

その意味で初戦のタナシ・コキナキスは、
格好の相手と言えるかもしれない。

196cmの恵まれた体躯を誇る
オーストラリアの若者は、
2015年に19歳にして世界ランク69位まで
達した“次代の旗手”の一人だった。

しかし同年のクリスマスに肩を手術し、
その後は肘などにも痛みを抱えて
ツアーから長期離脱を強いられた。

以降の1年半の間、出た公式戦は昨年の
オリンピックと今週のリオン大会の
2試合のみ。

そのような状況を思えば
「全仏での勝利は期待していない」
という本人の言葉も無理からぬことだ。

とはいえ、かつて上位勢をも脅かした
サーブと強烈なフォアハンドは、
一発でエースを奪う破壊力を秘めている。

それだけに錦織側にしてみれば、
自信とスピード勝利の双方が期待できる
相手と見ることもできるだろう。

錦織はトーナメントに参戦する時、
ドローの全体像は見ないという。

彼が確認するのは常に、
次に戦う相手のみ。

遠い先を見ることなく、
目の前のハードルや課題を一つひとつ
クリアしながら、目指す高みに至るのが
彼の流儀だ。

ならば錦織を見る側も、
そのような視座に立つのが好適だろう。

内容を伴う初戦の勝利。

それが今大会での、
恐らくは一つの試金石になる。

(文・内田暁)

AERA dot. 5/28(日) 16:00配信

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170528-00000013-sasahi-spo&p=1
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170528-00000013-sasahi-spo&p=2


錦織の成績を左右する大きな問題 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。