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関ジャニ∞、初野外フェス『METROCK 2017 TOKYO』で提示したアイドルとロックの可能性 [関ジャニ∞野外フェス アイドルとロックの可能性]

関ジャニ∞、初野外フェス
『METROCK 2017 TOKYO』で
提示したアイドルとロックの可能性

関ジャニ∞、初野外フェス.GIF
『METROCK 2017 TOKYO』(C)Metrock 2017 
Photo by 本田裕二

人気グループ・関ジャニ∞が
21日に行われた音楽イベント
『METROCK 2017 TOKYO』
(METROPOLITAN ROCK FESTIVAL/
通称・メトロック)で、
野外ロックフェス初参戦を果たした。

関ジャニ∞といえば、
バラエティなどでの活躍も
さることながら、
ジャニーズの中でもとりわけ
音楽面に特化したグループである。

全員でバンド演奏し、
自ら作詞作曲も行う彼ら。

昨今では、
『関ジャム 完全燃SHOW』
(テレビ朝日系)で、
大物アーティストたちと
セッションするなど、
その音楽力はますますアップ。

フェスの模様とともに、
関ジャニ∞とロックの
可能性を探ってみたい。


◆初の野外フェスでも
アウェイ感なし、
ロックファンに好評だった理由

存在そのものがすでに“フェス”
なのである。

THE イナズマ戦隊、
宮藤官九郎、峯田和伸、
レキシ、藍坊主、高橋優、
OKAMOTO’S…。

セットリストの楽曲提供者を
ざっと並べただけでも、
関ジャニ∞が音楽イベント
『METROCK 2017 TOKYO』で
演奏した音楽は、
“ロック”という大枠は
あるものの、曲調やテーマや
ノリや音色は飛び抜けて
多彩であることがわかる。

メトロック最終日。

メインステージでの“トリ前”を
務めた関ジャニ∞のイキのいい
アクトは、フェス慣れした
ロックファンにも大好評だった。

派手なサークルモッシュまで
起こすほど、ヒートアップした
縦ノリは、普段の彼らの
ライブではまずお目にかかれない
光景だ。

ミディアムな
「侍唄(さむらいソング)」を
除いて、セットリストは
関ジャニ∞のライブで盛り上がる、
テッパン中のテッパンを
ラインナップ。

とはいえ、実際に彼らのライブを
体験したことがある者なら、
関ジャニ∞がフェス受けすることぐらい、
ある程度は想像できたはずだ。

“求められることなら何でもやる”
という泥臭い姿勢と、
子どもの頃から多くの
舞台に立っている経験値の高さ、
大箱での自分たちの
“魅力の飛ばし方”は
誰よりも熟知しているはずだし、
そこに確かな演奏能力と
キャッチーな楽曲群が加われば、
初野外フェスでのアウェイ感など、
一瞬にして吹き飛ぶはずだと。

◆『関ジャム 完全燃SHOW』が
もたらした音楽的進化

初野外フェスを体験する
タイミングも絶妙だった。

以前から、楽器演奏に定評が
あったとはいえ、
ここ2年のメンバーの音楽への
感度の高まり、楽器演奏の
上達ぶりは凄まじい。

メトロック後のSNSでも
「関ジャニ∞のベースやばい」
などと、丸山隆平の
ベースを絶賛する
呟きが散見されたけれど、
彼のスラップの師匠は、
OKAMOTO’Sの
ハマ・オカモトである。

『関ジャム 完全燃SHOW』
(テレビ朝日系)は、
毎回様々なゲストが登場し、
アーティストや音楽に切り込んで
いくだけでなく、楽器演奏、
歌詞や編曲といったテーマまで
多角的に解析していく音楽番組だが、
丸山はそこで、ハマ・オカモトから
直々にスラップの指導を
受けていたのだ。

番組の最後に、ゲストと
関ジャニ∞のメンバーで
ジャムセッションが披露されるが、
バラエティに富んだ楽曲をじかに
演奏して見る機会を得たことで、
また、音や言葉の成り立ちを
作った本人から直接説明してもらったり、
音楽理論を学んだりすることで、
彼らの演奏技術は格段に向上し、
彼らのポピュラー音楽への
理解度は飛躍的に高まった。

2年間、『関ジャム~』で吸収した
“成果”が、この日の演奏にも
十分に表れていたのである。

◆紆余曲折を経て、アイドルながら
ロックな関ジャニ∞の背景

「野外フェスに、関ジャニ∞の
音楽は間違いなくハマる!」と
いう大方の予想は的中した
わけだけれど、それ以上に新鮮で、
何より驚かされたのは、
今回のメトロックで
関ジャニ∞が他の
どんなロックバンドにも負けない
“ロックバンドらしさ”を
放っていたことだった。

渋谷すばるは、
「関ジャニ∞って
アイドルグループやってます」と
最後にさらっと挨拶していたが、
それはまさに、ロックファンから
偏見を持たれがちな
“アイドル”の
「俺たちまだまだこんなもんじゃない」
宣言というか、ある種の殴り込み
だったのだろう。

粘って、気張って、振り切って。

バイタリティこそ男道だと信じて、
芝居、音楽、バラエティと、
芸能の様々なジャンルに
関わってきた彼らは、
“本気”と“アソビ”を
絶妙なバランスでブレンドさせ、
アイドル業に取り組んできた。

本当は必死なのに、
でも表面上は優雅に軽やかに
見せることは、夢を売って
ナンボの“アイドル魂”のなせる技。

ただし、こと音楽に関しては、
もちろん全員が最初から
“ロック魂”を備えていた
わけではない。

デビュー前、あまり目立たない
存在だった大倉忠義のことを
「ドラムをやらせてみてほしい」と
社長に直談判したのは
ギターの安田章大だった。

最初からバンドとして
生まれたわけではない
関ジャニ∞は、
音楽志向の強いメンバーに
感化され、バンドでの自分の
役割を確立すべく、
村上信五はキーボード、
横山裕はトランペットをマスター。
錦戸亮も、NEWSと関ジャニ∞を
掛け持ちしていて、
今のように深く関ジャニ∞の
音楽に関わることができなかった
時期もある。

そんな紆余曲折を経て、
最近では先に述べた
『関ジャム~』での体験も加わり、
スター性を持った7人でロックを
奏でるバンドに彼らはようやく
成り上がった。

過去を掘り下げれば掘り下げるほど、
バンドとしての彼らの
バックグラウンドそのものが、
とてつもなくロックなのである。

◆悩み多く貪欲な30代、
本気の7人の気持ちが歌詞に?

ところで、
今回のセットリストの
中では、
「Tokyoholic」が一番、
関ジャニ∞というグループ
そのものが持つ
“ロックな反骨精神”に
溢れた曲になっていた。

でもそれも当たり前だ。

錚々たるアーティストから
提供された楽曲が並ぶ中、
「Tokyoholic」は錦戸が
ソングライティングを
手がけた曲なのである。

東京ではみんな見栄っ張りで
強がりで、どうしたって
好きになれないけど、
嫌いにもなれない。

10代で、親元を離れて上京し、
成功を夢見て必死で
頑張ってきた。

デビューして、ドラマに出て、
映画に出て、主題歌を担当して、
ツアーで全国を回って、
そこそこ人気者になったけど、
まだまだ全然満足できない。

必死で音楽に取り組んでいても、
まだまだ全然認められない。
そんな悩み多き、
しかも貪欲な30代。

“上から見んなや
こっちも必死なんじゃ”という
歌詞は、アイドルもロックも、
どちらにも本気で取り組んで
いる彼らが、メトロックの
ようなアウェイな場所で、
一番叫びたかった本音のように
思えてならない。

悔しさや、葛藤や、悲しみや、
鬱憤や、反発や、ロックが、
そんなある種の
“負のエネルギー”を
発散するジャンルとしての
意味合いを持つのだとしたら、
成功を収めた時点でそのバンドは
主張したいことが
なくなってしまう。

アイドルである彼らは、
華やかで恵まれているように
見えるかもしれないが、
実際は、数え切れないぐらいの
壁にぶち当たってきたし、
何度も恥をかいて、
人気者であるが故の不自由さも
味わいながら、
ずっと
「俺らはこんな
もんじゃねーぞ!」と
心の中で叫んできたのだろう。

今回披露された曲
「宇宙に行ったライオン」には、
まさにそういう歌詞がある。

危険を避け、冒険や失敗を
恐れがちな若者が増えていく
今の世の中では、
自然発生的に生まれた
ロックバンドに負けず劣らず、
アイドルグループが
鮮明に体現しうる
“ロック”があるのかもしれない。

それほど、この日の7人は、
泥臭くて熱っぽくて切実で、
それでいて華やかで
キラキラしていた。

「関ジャニ∞っていう
アイドルグループやってます!」と
サラリと挨拶していた
渋谷すばるの声が、
まるで「アイドルの限界も、
ロックの限界も壊してみせる!」と
いう宣言のように、夕暮れの空に
高く遠く響いていた。

(文:菊地陽子)

オリコン 5/28(日) 8:40配信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170527-00000304-oric-musi



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