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大河『直虎』を建国モノ&イケメンドラマとして成立させた、高橋一生の冷静沈着な芝居 [高橋一生の冷静沈着な芝居]

大河『直虎』を建国モノ&イケメンドラマとして
成立させた、高橋一生の冷静沈着な芝居

高橋一生3.GIF

いよいよ、高橋一生の人気が
確変状態に入った。

2015年のドラマ『民王』
(テレビ朝日系)で総理大臣の
第一秘書役を演じ、
16年には映画『シン・ゴジラ』で
若手官僚役を演じ、
ネクストブレーク間違いなしと
いわれてきた高橋だが、
今年は坂元裕二・脚本の
ドラマ『カルテット』(TBS系)、
大河ドラマ『おんな城主 直虎』
(NHK)と立て続けにヒット作に
出演しており、ついにその人気が
全国区のものになってきたと
実感する。

『カルテット』で高橋は、
松たか子、満島ひかり、松田龍平と
いった名だたる実力派俳優たちと
共演しながら、演技力において
一歩も引かない存在感を発揮した。

ふとした偶然から知り合った4人の
アマチュア音楽家が、
弦楽四重奏楽団(カルテット)を
組んで軽井沢の別荘で共同生活を
送る姿を描いた同作で、
高橋はバツイチ子持ちで
30代後半のフリーター・
家森諭高を演じた。

ダメ人間でありながら、
余裕しゃくしゃくでつかみどころ
のない“男版不思議ちゃん”とでも
言うような家森は『カルテット』の
マスコットボーイ的存在として、
視聴者から愛された。

今まで演じてきた、影のある
理知的な青年役とは違う
明るいキャラクターを演じたことで、
高橋はアイドル的人気を獲得。

ファン層を大きく拡大した。

しかし、家森のキャラクターは
あまりにも強烈すぎた。

こういう役でブレークすると
演じられる役の幅が狭まり、

今後の俳優人生に悪い影響を
与えるのではないかと少し
心配があった。

だが、それは杞憂だった。

『カルテット』と同時期に
放送がスタートした
『おんな城主 直虎』が佳境に入ると、
家森諭高のイメージからあっさり脱却。

「頭が切れるナンバー2」の
イメージを取り戻した。

◎『直虎』で見せる冷静沈着な男とのギャップ

『おんな城主 直虎』で演じている
小野但馬守政次は、何を考えているか
わからない不気味な参謀という、
高橋が得意とする役柄で、
回を重ねるごとに存在感が増している。

戦国時代を舞台にした同作は、
主人公の井伊直虎(柴咲コウ)が、
女城主になるまでの過程を
幼少期から丁寧に描いてきた。

井伊直虎、井伊直親(三浦春馬)、
小野政次という幼なじみの男女の
三角関係をベースにした
少女漫画的な物語だったため、
戦国武将同士の勇ましい
合戦を求める、昔からの
大河ドラマファンからの
受けは良くなかったが、
直虎が城主となってからは、
物語の積み重ねが実を結びはじめ、
“建国シミュレーションモノ”として、
どんどん面白くなってきている。

その屋台骨を支えているのは、
不穏な存在感を見せている、
高橋演じる政次だろう。

父の井伊家筆頭家老・小野和泉守政直
(吹越満)が、親友である直親の父を
死に追いやり、直親が死ぬきっかけを
作ったことから、政次は井伊家を
乗っ取ろうとする悪役に見えた。

しかし実は、今川家に従う振りを
して井伊家(と直虎)を
守ろうとしていたことが、
明らかになってきた。

そうなると、政次の行動が
いちいち気になって仕方がない。

本心を隠したつるんとした表情で
嫌われ役を演じながら、
直虎を守ろうとする
政次の気持ちを想像すると、
切なくなってくるのだ。

柴咲が演じる直虎を筆頭に、
登場人物の多くが、
喜怒哀楽がはっきりとした
わかりやすいキャラクターばかりの中、
政次は冷静沈着な男で、
なかなか感情を表に出さない。

せりふや表情に極端な変化がない
政次を演じるに当たり、
高橋は微妙な目の動きや
首の傾げ方などと
いった些細仕草の一つひとつで
感情を表現している。

ともすれば、ロボットのような
無機質な役になりそうだが、
無表情でありながら感情の機微が
見え隠れするという高度な
芝居を見せているため、目が離せない。


三角関係の一角を担っていた
三浦が早々と退場した時、
話が持つのかと心配だったが、
今の高橋を見ていると、
この作品は各キャラクターの
見せ場がうまく用意された
「イケメ ンドラマ」であると、
あらためて感心する。

高橋は現在36 歳。

10 歳の時に出演した
映画『ほしをつぐもの』から
数えると26 年のキ ャリアを
持つ若きベテランだ。

10 代でスタジオジブリの
アニメ映画『耳をすませば』の
天 沢聖司役を声優として演じて以降、
宮藤官九郎の
『池袋ウエストゲートパーク』
(TBS 系) や坂元裕二の『Woman』
(日本テレビ系)といった
そうそうたる脚本家たちのドラマに
出演し、名脇役として名をとどろか
せていた。

『おんな城主 直虎』以前にも
大河ドラマには4 本出演しており、
演技力に関してはすで
に高い評価を確立していたが、
今年に入ってからは
女性誌「an・an」
(マガジンハウス)で
ヌー ドグラビアを披露したりと、
俳優以外の活動でも話題に
上ることが増えている。

気になるのは今後、
魅力的なナンバー2
という名脇役の立ち位置から、
主演級の俳優へと 転身するのか
どうかだが、しばらくは、
二番手三番手のおいしい
ポジションで爪痕を残して
いくのだろう。

すでに今年下半期の
NHK連続テレビ小説の
『わろてんか』に出演することも
決定している。

このまま順調にいけば、
17年は高橋一生の年になることは
間違いないはずだ。
(成馬零壱)

サイゾーウーマン更新日:2017/05/21

https://gunosy.com/articles/RZIQc


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