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ネット、スマホの普及で情報が氾濫する現代をどう生きるのか テレビジャーナリズムの役割とは [「クローズアップ現代+」武田真一アナ]

ネット、スマホの普及で情報が
氾濫する現代をどう生きるのか
テレビジャーナリズムの役割とは

「クローズアップ現代+」
キャスター武田真一が、
目指す番組の姿を語る

キャスター武田真一.GIF

テレビを見ていてよく耳にするけど、
実際はきちんと知らない(かもしれない…)
時事ネタや話題を追いかけ、
解説する連載「TVガイド新書」。

今回は、現代のテレビジャーナリズムが
担う役割を考察。

4月から「クローズアップ現代+」の
キャスターを務めている武田真一アナを
直撃した。

<試写、打ち合わせ、本番…
1日4回の“真剣勝負”>

今春、NHKの多くのニュース番組が
キャスターを一新。新たな顔がそろった。

「『ニュース7』(NHK総合)も
女性キャスター(鈴木奈穂子/平日、
井上あさひ/土日・祝日)がメインになり、
雰囲気は変わりました。
でも、報道としての姿勢、
芯の部分は変わっていないと思います」

こう語るのは、9年間「ニュース7」の
メインキャスターを務め、
4月から「クローズアップ現代+」を
担当している武田真一アナである。

“クロ現+”の呼び名で親しまれる
番組では、毎回ひとつのテーマを
25分間で掘り下げていく。

取り上げる内容は、深刻な社会問題から、
流行、文化、スポーツなど、実に幅広い。

「今はさまざまな話題をお伝えするために、
日々格闘している感覚です。
頭をフル回転しているので、
脳が疲れます(笑)」

笑顔で語る武田アナだが、
そのスケジュールはかなりハードだ。

「月曜と火曜に、その週に放送予定の
番組内で紹介するVTRをすべて
事前試写します。

試写室は各ディレクターの勝負の場。

スタッフは何日もそのテーマを追いかけて、
伝えたいことがパンパンに膨らんで
いるんです。

僕は視聴者代表としてフレッシュな
目で見て、初めてそのテーマに接する
視聴者に伝わるか、と考える。

疑問や修正すべき点については
しっかり話し合います。

放送当日は午後3時頃、
2回目の試写をして
コメントなどを確認。

午後7時30分にはゲストが到着するので、
VTRを見ていただいて
打ち合わせをします。

2回の試写とゲストとの打ち合わせ、
それに本番で意見をぶつけ合うのは、
真剣勝負の“バトル”に近い。

毎回、4回ずつバトルを
しているんです(笑)」

テーマに多角的に迫るため、
例えば利用が急増している
銀行カードローンを取り上げる
場合でも、破産した人を
救済しているゲストと
ローンに理解のあるゲスト、
異なる立場の2人を招くなど、
コメントのバランスや
方向性には気を配る。

「25分の中で実際にお話を聞ける
時間はとても短いので、
僕がゲストを紹介する数秒さえも
惜しいんです。

ゲストの肩書などは字幕で
ご紹介するだけにして、
僕は間髪を入れずズバッと質問し、
解説していただけるようにしています」

これまでで特に印象に残っている
テーマは、今年度第一回の
「稀勢の里優勝 知られざる
最後の3日間」だという。

「稀勢の里の感動的な優勝を
取り上げるのはもちろんなのですが、
僕たちがもうひとつ気になったのは、
優勝争いをした照ノ富士が“変化”で
勝利した際に、客席からブーイングが
起こったこと。

そこには何があったのか。
調べていくと、照ノ富士も
ヒザを痛めていて、
あのように立ち向かうしか
なかったということが
わかってきたんです。

我々はあくまでも事実を
掘り起こしてお伝えするだけですが、
この事実をブーイングした
人たちにもわかってもらえたら…と
思います」

キャスターとしての立ち位置の
難しさを感じた回もあった。

「『スマホで指紋が盗まれる?
“映りすぎ社会”到来!』の回では、
新しい防犯システムによって
知らない間に顔を映像に映され、
チェックされていることに
僕自身も抵抗がありました。

でも、深刻な万引き被害にあう
お店の方のことを考えると、
キャスターの僕が一方の立場に
なるのはよくないなと。改めて感じました」


<番組はまもなく4000回情報の海の
羅針盤を目指す>

若者を中心にテレビ離れと言われる今、
報道番組の価値をどう考えているのか。

「インターネット、特にスマホが
普及して以来、ニュースも自分が
興味のあるものだけを読む・見る
傾向があると思います。

自分が気に入ったものだけに囲まれて、
他を受け入れなくなりがちですよね。

それが高じると社会が分断していく。

でも、テレビのニュースはさまざまな
内容が雑多にあって、興味がなくても
『こんなこともあるんだ』と
知るきっかけになります。

我々は今、大量の“情報の海”にいて、
多くの人が迷っている。

僕らの番組は、
『情報の海の羅針盤になれたら』と
いうことを、スタッフ全員が
真剣に考えているんです」

社会人であり家庭人でもある自身も、
日常生活の中で知らなかったことや、
新鮮なものに出会う楽しさを味わっている。

「飛行機で映画を見るのが好きです。
知らない作品も多いんですが、
試しに見てみると意外に
面白かったりするんですよ。

休日もジャンルにこだわらずに録画して、
洗濯物をたたみながら見ています(笑)」

25年の歴史を刻む番組はまもなく
放送4000回、
「クローズアップ現代+」の
タイトルになって200回を迎える。

武田アナが今後、取り上げたいテーマとは。

「坂本龍一さんへのインタビューを
経験して、どんなものにも公平に
耳を傾け、しなやかに主張をする姿に
感動しました。

僕はまだ『こんなテーマを』と
提案する余裕はないのですが、
文化、芸術、またスポーツについても、
通常のニュースとは違う切り口で
迫れたらと思っています。

僕のことを気に入ってくださる方が
どれだけいるかはわからないのですが、
キャスターである僕や、
『クロ現+』という番組に興味を持って、
『このキャスターなら、
この番組なら、見てみようかな』と
思っていただけたらうれしいですね」

今回、取材したのは…

武田真一さん
(NHKアナウンス室シニア・アナウンサー)

’67・9・15熊本生まれ。
’90年、NHK入局。

「NHKニュース」の担当などを経て、
’08年~’17年3月まで
「NHKニュース7」(平日)の
メインキャスターを務めた。

4月より「クローズアップ現代+」の
キャスターを担当している。

Interview=ペリー荻野

TVガイド更新日:2017/05/15

https://gunosy.com/articles/RSXQZ


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