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「粉雪」を生んだ藤巻亮太の指先はマメがつぶれ硬くなっていた [藤巻亮太]

「粉雪」を生んだ藤巻亮太の指先は
マメがつぶれ硬くなっていた

藤巻亮太.GIF

【十手十色】
ギターにはコードの宇宙がある
とその人は言う。
「粉雪」「3月9日」などの名曲をギター
生み出してきたシンガーソングライターだ。

「ギターには6本の弦しかないからどんなに
複雑なコードでも6和音しかないんだけど、
指ががんばればすごく変なコードが
弾けるんですよ」

ぶつかり合う音同士をあえて一つの和音に
することで、おもしろいバランスが
生まれることがある。

もっとおもしろい音の並びはないか、
もっときれいな響きはないかと
“宇宙”を探し続けているうちに、
弦を押さえる左手の指のストレッチは
どんどん伸びて異様な形に曲げられる
ようになり、指先はマメがつぶれて
硬くなった。

最初は思うように指が動かなかった
かもしれないし、マメが痛かったのか
もしれないが、もはやあまり覚えていない。

そもそもこんなに長くギターと付き合う
とは思っていなかった。

中学2年生の時、通信販売でギターを
買っていた先輩がかっこよく見えて、
同じように買ってみただけ。

誰かにあこがれていたわけでもなかったし、
コピーバンドをしているうちはそんなに
ハマらなかった。

しかし、大学でバンドを組んで曲を
作り始めてから、熱量が一気に上がる。

自分の内面をはき出すように曲作りに夢中

ゼロから何かを作ること、自分の内側で
ぐるぐる渦巻いていたり澱(よど)んで
いたりするものを外側へ吐き出すこと。

曲作りを通してそれができた瞬間、
コンプレックスにまみれた19歳の自分の
苦しみが救われたような気がした。

周りが音楽から就職活動へと重心を移す中、
自分だけはどんどん曲作りに
夢中になっていく。

当然バンド仲間とも温度差ができ、
どうにもならなくなった時、
小中高の同級生で高校を辞めて
プロになっていたベーシストの前田啓介と、
高校でドラムをやっていた神宮司治と
一緒に新たなスリーピースバンドを結成した。

それからの10年を
「レミオロメン」として大きな成功の
足跡を残しながら駆け抜ける。

そして2012年には、活動のステージを
ソロへと移した。

その時の心情が表れた楽曲の中に
「指先」がある。

ひとつの青春が終わり次の場所に
移らなきゃいけないさみしさ、
自分が手にしたものが指先から
こぼれていってしまうんじゃないかと
いう焦り。

ゆらぎを帯びた歌声を朴訥(ぼくとつ)
とした、しかし確かな歩みをもった
ギターの音色が支える。

レミオロメンからソロへ――葛藤の日々

ソロになってからの数年は、レミオロメン
とは違うことをしなきゃいけない、
という葛藤の日々でもあった。

それを最近になってようやく、
打ち消せるようになったという。

きっかけは登山家の野口健さんとの
出会いだ。

野口さんと一緒にヒマラヤやアフリカの
山を登ると、日本で仕事をしている自分を
遠くから、客観的に眺めることができた。

「レミオロメンとは違うことをしなきゃとか、
ソロらしくしなきゃいけないっていうのは
ただの自分の思い込みなんです。
そういうものに縛られている自分に
もっとやさしく、
『いいじゃない、そんなんどっちでも』
って言ってあげられるようになった。
両方とも自分が一生懸命やってきたこと
なんだから」

これからも、ただひたすらにギターを
持ち続けることで音楽とつながる自分で
いたい。
そう言って、その人――藤巻亮太は
穏やかに笑った。

    ◇

ふじまき・りょうた 1980年生まれ。
2000年に小学校からの同級生3人で
「レミオロメン」を結成。
「3月9日」「粉雪」などの代表曲をはじめ、
ほとんどの曲で作詞作曲を手がける。
2012年にレミオロメンの活動休止を発表し、
その後ソロデビュー。

今年3月にはセカンドアルバム
「日日是好日(ひびこれこうにち)」を、
5月11日には「go my way」を配信リリース。

10月には
「藤巻亮太 SPECIAL LIVE 2016~秋祭編~」
と題したライブを開催

詳細は公式ホームページ
http://www.fujimakiryota.jp/)で。
.
朝日新聞社
朝日新聞デジタル 8月6日(土)11時30分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160806-00010001-asahit-ent&p=1


藤巻亮太 アコギ 2015 LIVE  粉雪 


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