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雨宮塔子が得た“変な図々しさ” 「フランスと日本の報道は違う」〈週刊朝日〉 [雨宮塔子が得た“変な図々しさ”]

雨宮塔子が得た“変な図々しさ”
「フランスと日本の報道は違う」
〈週刊朝日〉


雨宮塔子-2.GIF
雨宮塔子(あめみや・とうこ)/
1970年、東京都生まれ。
成城大学卒業後、93年にTBS入社。
「どうぶつ奇想天外!」
「チューボーですよ!」の
初代アシスタントを務めるなど


TBSの看板アナとして
活躍されていた1995年以来、
23年ぶりにアナウンサーの
雨宮塔子さんが作家の林真理子と
対談しました。


渡仏、結婚に出産、離婚、
そして単身日本に戻っての
新境地と、さまざまな出来事が
あった雨宮さん。


林さんがパリでの暮らしから
キャスターとしての仕事まで
お話をうかがいました。


*  *  *


林:ライバルというと、
やっぱり有働(由美子)さん?


雨宮:いえいえ、先輩ですし。
ほかの皆さんどう思って
らっしゃるかわかりませんが、
ライバルっていう意識、
私はあんまりないです。
有働さんとはお酒を
ご一緒したいくらいですから。


林:でもテレビの世界って、
いったん退職した人とか
他局から来た人には
冷たいですよね。
有働さんなんて、
はじめはみんな拍手してたのに、
「視聴率が下がった」とか、
何であそこまで言われる
のかなと思う。


雨宮:はじめはしょうがないと
思うんですよ。
私も長く離れていてあらためて
思ったんですけど、視聴習慣が
つくまでもうちょっと長い目で
見ていただきたいなと思うんです。


林:特にあの時間帯は
女性キャスターがいちばん
注目されますからね。


雨宮:何をニュースの第1項目に
持ってくるか、各局で違いますしね。

その日の担当編集長の
個性もあるんですが、
第1項目に何を取り上げるかに
各局のカラーが出るような
気がします。


林:雨宮キャスターとしては、
どういうスタンスで行こうと
思ってるんですか。


雨宮:私はスタジオ回しという
ことになるんですかね。
キャスターの定義が私の中で
漠然としているところが
あるんですが、
キャスターのとらえ方も、
各局違うのかなと思ったり。


林:棒読みしてるのと、
ほんとに理解して読んでるのと、
視聴者はすぐわかるから、
コワいなと思いますよ。

雨宮:そういうのって
本当に伝わると思います。

林:前に対談させていただいたとき、
「いずれは何かものを書いて
いけたら」とおっしゃっていたけど、
エッセーを書いたりして、
パリでは理想の生活だったわけ
ですよね。

パリでの穏やかな日々が
なつかしく思うことはないですか。


雨宮:ありますよ。
時間が流れていく感覚が
ぜんぜん違いますしね。

パリではゆったり好きなことを
書いたり、のんびりお茶を
する時間もありましたが、
日本でこの仕事をしていると、
なかなかそうもいかないです。


林:今、あわただしいでしょうけど、
「NEWS23」のキャスターといえば、
この職業を選んだからには
すべての人が憧れる椅子ですから、
やっぱり素晴らしいことですよね。


雨宮:今は与えていただいたことに
最大限に応えていくしかないですね。

パリから離れて、よりパリの
良さがわかる部分もありますけど、
またパリに戻ると
「東京の日々がなつかしいな」
ってなるんだと思います。


林:17年の間に、アナウンス技術が
失われたりはしなかったですか。


雨宮:元から高い技術を持ち合わせて
いるわけではないので(笑)。

ただ、アナウンス技術自体は、
必死に取り戻そうと思えば
元に近づけると思うんです。

でも、求められるものは、
技術よりさらに上の部分なので。


林:雨宮さんに求められているのは
国際的な視点ですよね。

パリに住んで外から日本を
俯瞰してきたご経験も含めて。

テロにも遭遇されたし。


雨宮:俯瞰ももちろん大事だと
思うんですけど、日本のニュース
番組はフランスのそれとは
まったく違う流れがあって、
日本はより中立で、
公正な目を求められるんだな
ということを、あらためて
思いました。


林:フランスは、キャスターも
自分の考えをガンガン言って
いいんですか。

雨宮:キャスター個人の考えなのか、
あるいはその局のカラーも
あるのかわかりかねますが、
どっちか寄りの発言をしたり、
ブラックユーモアを
こめることはよくあります。

自国はもちろん、
他国のトップや政治家、
著名な批評家などを
カリカチュアして
遠慮なく批判を
こめてからかったりします。


林:「国際感覚」って言葉も
古くさいけど、それが「NEWS23」
で役立ったこともありますか。


雨宮:空気を読みすぎないで、
無知なくせに変に大胆なところは、
たぶんフランスの影響だと
思います(笑)。

「控えめ」とか「謙虚」という
言葉は向こうでは美徳に
ならないので、そういう
変な図々しさみたいなものは
あるかもしれないですね。


林:日本は出すぎると
何か言われるしね。
そのサジ加減が難しい。


雨宮:でも、失うものも
あまりないですし、
打たれるのを恐れて
自分でなくなるのは
子どもたちを置いてきてまで
取り組む仕事ではなく
なってしまうかなと思うんです。

林:「母親のくせに、
子どもをパリに置いてきて」
みたいな考えは、
実に日本的ですよね。


雨宮:女性にとって母親である
部分は消えようがないですよね。

ただ、フランスでは
「母親だからこうすべき」
という考え方ではなくて、
職業人として、
ひとりの女性として
どうするかがまず問われます。


林:そこがふつうの日本人の
感覚と違うのかもしれない。


雨宮:ただ、日本的な考えも
わからなくはなくて、
そう思われて当然だろうなと
思いますし、実際に子どもが
学業のことなどで悩んでいる
ときに、そばにいてやれない
不甲斐なさはいつも
感じています。

雨宮塔子-3.GIF
雨宮塔子さん(右)と林真理子さん
(撮影/倉田貴志 ヘアメイク/
鈴木ナオ[eight peace])
バラエティーを中心に活躍、
人気アナウンサーに。
99年TBSを退社し渡仏、
西洋美術史を...


(構成/本誌・松岡かすみ)


※週刊朝日  2018年12月21日号より抜粋



AERA dot.12/17(月) 11:30配信

最終更新:12/17(月) 16:28

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181213-00000085-sasahi-ent&p=1
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