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満島ひかり&広末涼子、名バイプレイヤーとしての活躍 今期ドラマでの演技と共通点を読む [満島ひかり&広末涼子]

満島ひかり&広末涼子、
名バイプレイヤーとしての活躍 
今期ドラマでの演技と共通点を読む

今シーズンのドラマは、
悪い男を懲らしめる
女性視点の作品が目立つ中、
終盤に進むにつれて徐々に
謎が明かされていった
『奥様は、取り扱い注意』
(日本テレビ系)と
『監獄のお姫さま』
(TBS系)。

回を重ねるごとに注目を
浴びていった同ドラマ2作品に
おいて、特に人気を支える
名バイプレイヤーぶりを
見せているのが、
『奥様は~』の広末涼子
『監獄の~』の満島ひかりだ。

実は歌手としてのデビュー年が
同じである2人は、世代は違えど
芸能界のキャリアとしては
同世代。

今では実力派女優として
活躍している彼女たちが
重宝される理由について
考察してみたい。

満島ひかり&広末涼子、名バイプレイヤー.GIF

広末は30代後半となり、
可愛らしさを兼ね備えながらも、
大人の魅力が溢れる女優である。

そんな彼女だが、90年代は
まさにキラキラと輝く
トップアイドル。

アムラーやコギャルが流行する中、
そのボーイッシュで透明感のある
美少女の登場に、世間がざわついた
ことは記憶に新しい。

10代、20代の男子を中心に
絶大なる支持を得て、
雑誌やCM、ドラマで引っ張りだこに。

1997年に
「MajiでKoiする5秒前」で
歌手デビューし、
約60万枚のヒットを記録。

セカンドシングル「大スキ!」
ではオリコン1位を獲得し、
『第48回NHK紅白歌合戦』に
出場するなど、
マルチな活躍ぶりを見せた。

広末自身も
「初めてどっぷり浸かった
ドラマでした。
お芝居ってお芝居じゃないんだと
気づいたのもこの時です」
(Numero TOKYO 2016年3月号より)
と語っている、女優としての
ターニングポイントは、
1997年の『ビーチボーイズ』
(フジテレビ系)。

反町隆史と竹野内豊という、
当時人気絶頂の2人を相手に、
彼らが流れ着いた民宿の娘役
としてヒロインを熱演している。

そこから着々と女優としての
キャリアを積んでいくが、
少女から大人へ成長する役者と
しての難しさ、女性たちから
敬遠される歯痒さが正直あった。

とは言え、映画『おくりびと』や
『ゼロの焦点』で女優賞を
獲得するなど、大人の女優としての
評価は徐々に上がり、
ドラマをよく見る30代以上の
女性視聴者層と広末の等身大の
演技がリンク。

いつしか母親役など、
女性の代弁者とも言える役を
演じるようになったことが、
今の人気につながった
一つの要因だと言える。

『奥様は~』では、
育児も家事も協力しない歳上の夫に、
「働きたいなどと言わずに、
家事に専念しろ」と
締め付けられる主婦役を演じた。

物語の終盤では、
これまで抑えていた
感情がついに爆発し、
若い男と不倫してしまう。

そして大きな事件に
巻き込まれていくのだった。

一生懸命尽くすも、
夫から理解されない辛さに
必死に耐え、友達の前では
明るくふるまう健気な妻。

艶っぽい美しさを兼ね備えつつも、
アイドル時代の可愛らしい
面影も残っており、
視聴者の心をガッチリと掴む。

「一度きりの人生、
本当にこのままでいいの?」と、
視聴者に投げかけるかのような
演技が共感を呼び、
このドラマの人気を支えていた。

満島ひかり&広末涼子、名バイプレイヤー1.GIF
火曜ドラマ『監獄のお姫さま』(c)TBS

一方の満島は、
1997年、小中学生7名で
構成されるFolderに「HIKARI」の
名前で参加し、
「パラシューター」で華々しく
デビュー。

ただ満島はバックコラース的な
ポジションで、それほど
目立つ存在ではなかった。

2000年に5人組ユニットFolder5へ
改組し、2002年に活動休止後
ソロへ転向するがなかなか芽が出ず。

そんな満島を女優として
開花させたのが、
2009年の園子温監督作品
『愛のむきだし』だ。

監督は毎回、
満島に怒鳴っていたと
言うほど苛烈を極め、
それに耐えたことにより、
彼女は過激な内容をも遥かに
越える体当たりの演技を見せた。

まさに怒りと魂の演技だったと言える。

これを機に、常に真剣な芝居が
見る者の心を揺さぶり、
若手女優の中でも一目置かれる
存在になった。


そんな満島が『監獄の~』では、
元女囚たちの仲間であり、
誘拐犯の一人であるドSの
元刑務官役を演じている。

犯罪者を憎んでいる彼女は、
受刑者を「雑魚」と呼び罵倒するも、
再犯した受刑者に対して
「ここは帰って来る場所
じゃないの! 出て行く場所!
ただいまも聞きたくないし、
お帰りも言いたくないの! わかる?!」
と涙ながらに叱咤する姿を見せ、
優しさゆえに厳しい態度を
とっていることが判明した。

熱血漢のある満島の演技と、
クドカンの描くコメディが
上手くマッチした同ドラマ。

小泉今日子をはじめ女囚たちが、
緩くつかみ所のないベテラン演技を
見せる中で、彼女たちを厳しく
指導する満島のドSな演技が、
見事に場を引き締める。

その絶妙なコントラストと
構図が、実に面白い。

輝かしいデビューから
紆余曲折して再び這い上がって
きた広末と、潜伏期間が長く
ジワジワと成り上がってきた満島。

アイドルを経験し、お互い違う
ところでの挫折と苦悩があって、
いま女優として成功している。

そんな人生経験が演技に
生きている彼女たちは、
結果それぞれが個性的な
女優として成長を成し遂げた。

いいバイプレイヤーがいる作品は
名作が生まれる。彼女たちが
出演している作品には今後も注目だ。

本 手


■放送情報
『奥様は、取り扱い注意』
日本テレビ系にて
毎週水曜22:00~(放送終了)
出演:綾瀬はるか、広末涼子、
本田翼、中尾明慶、銀粉蝶、
石黒賢、西島秀俊
原案・脚本:金城一紀
演出:猪股隆一ほか
(c)日本テレビ
公式サイト:http://www.ntv.co.jp/okusama/

■番組情報
火曜ドラマ『監獄のお姫さま』
TBS系にて毎週火曜22:00~
出演:小泉今日子、満島ひかり、
伊勢谷友介、夏帆、塚本高史、
猫背椿、池田成志、坂井真紀、
森下愛子、菅野美穂
脚本:宮藤官九郎
プロデューサー:金子文紀、宮崎真佐子
演出:金子文紀ほか
主題歌:安室奈美恵「Showtime」
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/pripri-TBS/


最終更新:12/12(火) 6:00
リアルサウンド12/12(火) 6:00配信

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171212-00010001-realsound-ent

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