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ドラマにおける“決め台詞”の再評価 SNSの盛り上がりもカギに [ドラマにおける“決め台詞”の再評価]

ドラマにおける“決め台詞”の
再評価 SNSの盛り上がりも
カギに

米倉涼子15.GIF
『ドクターX ~外科医・大門未知子~』に
出演中の米倉涼子 (C)ORICON NewS inc.

今期ドラマで盤石の強さを
誇っているのは、言わずと
知れた
『ドクターX ~外科医・
大門未知子~』
(テレビ朝日系)。

劇中に毎回登場する主人公の
大門(米倉涼子)が放つ
「私失敗しないので」や、
名医紹介人の神原
(岸部一徳)が
「メロンです。請求書です」
など、“決め台詞”も
人気の要因のひとつ。

『水戸黄門』をはじめ、
毎度お馴染みのセリフが
登場する“心地よい予定調和”は、
視聴者に絶大なカタルシスを
もたらすのも周知の事実。

だが、視聴者から支持の高い
“決め台詞”を要する
ドラマが近年、急激に
増加したかといえば、
そうとも言えない。

一体何故なのだろうか?

◆現在から過去に至るまで、
人気ドラマに“決め台詞”アリ!

『水戸黄門』
(TBS系)の
「この紋所が目に入らぬか!」を
皮切りに、
『ガリレオ』
(フジテレビ系)の
「実に面白い」、
『家政婦のミタ』
(日本テレビ系)の
「承知しました」、
『TRICK』
(テレビ朝日系)の
「全部まるっとお見通しだ!」、
『花咲舞がだまってない』
(日テレ系)の
「お言葉を返すようですが」など、
ドラマ発の決め台詞は数知れず。

ほんの少し振り返るだけでも、
『家なき子』
(日テレ系)
「同情するなら金をくれ!」、
『ひとつ屋根の下』
(フジ系)
「そこに愛はあるのかい?」、
『金田一少年の事件簿』
(日テレ系)
「じっちゃんの名にかけて/
謎はすべて解けた」と
枚挙に暇がない。

現在放送中の
『ドクターX』に至っては、
「私失敗しないので」
「請求書です」
「御意!」など、
複数の決め台詞が存在する。

これら決め台詞に共通する
のは、台詞を聞けばその
ドラマの1シーンが浮かんで
しまうほど作品の世界観の
一部となっている点だ。

今期、視聴率10%以上を
キープする綾瀬はるか
主演『奥様は、取り扱い注意』
(日テレ系)でも
「私が助けてあげる」と
いう台詞から、
問題解決へ向かう流れが
心地よく、ドラマに爽快感を
生み出している。

◆「決め台詞はダサい」と
いう風潮を跳ね返した“半沢直樹”

「そもそも、決め台詞的な
ケレン味と娯楽は伝統的に
親和性が高い」と話すのは、
メディア研究家の衣輪晋一氏。

「作劇での決め台詞的な
カタルシスの大元をたどれば
“歌舞伎の見得”に
辿り着きます。

元々は、ザワザワした劇場で
注目を集めるために生まれたと
言われていますが、
やがて観客は、見得を
楽しみに劇場に集まるように
なりました。

見得や決め台詞は、
物語の流れを強引に
せき止めてしまう
難しさもありますが、
逆に凝縮した
エネルギーを一気に
放出する強烈な力を
持っています。

演者と演出の呼吸が物語に
うまくマッチングすれば、
これまでの物語のエネルギーの
うねりが内的圧力を高めていく
様にもワクワクしますし、
それが解放された瞬間、
得も言えぬカタルシスが
得られるのです」
(同氏)


一方で、決め台詞のある
予定調和な展開に視聴者が飽き、
そのスタイルが“ダサい”と
思われていた時期もあった。

上位に挙がった決め台詞、
もしくは流行語となり
うるべき決め台詞の
共通項を改めて振り返ると、
(1)簡潔で印象的な
フレーズあること。
(2)学校、職場で直ぐに
パロディ化できる汎用性の高さ。
(3)物語の進行に
必要不可欠であること。
が主に挙げられる。

だが、それらは同時に
“ケレン味”を生じさせ、
マンネリ化を引き起こし、
一気に鮮度が落ちる
危険性もある。

そのため、
『踊る大捜査線』
(フジ系)のような
“決め台詞のない”
ドラマが多く制作され、
それぞれがヒットを
飛ばしてきたのだ。

その風潮を跳ね返したのが
「倍返しだ!」で
ムーブメントを起こした
『半沢直樹』(TBS系)。

「2013年の流行語大賞には
“倍返し”や“じぇじぇじぇ”が
選ばれています。

そういった意味では、
2013年は決め台詞のある
ドラマの面白さを視聴者が
改めて感じた年と
いえるでしょう」
(衣輪氏)

◆決め台詞が話題のタネに 
SNSでの盛り上がりが
ドラマ人気と比例

2013年からも
『ドクターX』をはじめ、
『家売るオンナ』や
『花咲舞が黙ってない』など、
決め台詞ありのドラマ人気は
続いている。

だが、決め台詞のある
ドラマは年に1~2本程度で、
急激に増加したという
動きはとくに見られない。

増加しない理由は上に
記した通りだろう。

同じ台詞を使う予定調和な
内容で、心地よいマンネリ感を
もたらすストーリーの構成が
難しく、単にありきたりな
内容になる可能性が高い。

せっかく決め台詞を作って
ウケを狙っても、それが
“スベって”しまったら
大惨事になってしまうのだ。

ドラマの企画会議にも
多く出席する衣輪氏は
「決め台詞を作るというのは
物語作りに制約がかかる
リスクもある。

テーマや物語には、
語られるべき手法が
それぞれあるので、
制作側も多様化のために
そこばかり注目をして
ないように見える」
とも語る。

では、なぜ決め台詞ドラマが
目立っているように感じる
のだろうか?

これについては
「インターネットの発達」が
カギとなっているようだ。

「昨今の視聴者は決め台詞の
ような印象的なフレーズを
使ってSNS上で盛り上がる
傾向があります。

某キー局のプロデューサーに
話を伺ったところ、
以前はお茶の間やドラマ放送の
翌日、学校や職場でドラマに
ついて話し合っていた
スタイルが、SNS上へと場所を
変えたのではないかと
話されていました。

SNSで話題になると次に
ネットニュースで拡散される、
拡散されると大きな
ムーブメントが生まれた
ように感じられ、
決め台詞ドラマ人気が強く
印象付けられるのでしょう」
(衣輪氏)

決め台詞ドラマの特徴でもある
“印象的なワード”が
SNSとうまくマッチし、
盛り上がりにつながる……近年、
人気決め台詞ドラマは
シリーズ化される傾向にあり、
視聴者のニーズが高いことが
伺える。

SNS人気が続く今こそ、
制作には是非リスクを
恐れず挑み、決め台詞のある、
“ケレン味たっぷりの”
ドラマを生み出す決断も
必要なのかもしれない。

(文:西島享)


オリコンニュース11/23(木) 8:40配信


https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171122-00000364-oric-ent

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