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『A LIFE~愛しき人~』、もはや主役は「マサオ」に...やり放題のマサオによるマサオのためのドラマ [『A LIFE』、もはや主役は「マサオ」に]

『A LIFE~愛しき人~』、もはや主役は「マサオ」に...
やり放題のマサオによるマサオのためのドラマ

(TBS系).GIF

今クールの民放連続テレビドラマの
なかでは視聴率トップを独走中の
『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)。

その第9話が12日に放送された。

同ドラマは、主演の木村拓哉が演じる
外科医・沖田一光が、かつての恋人で
現在は親友・壇上壮大(浅野忠信)の
妻である壇上深冬(竹内結子)の
難手術を行うために、
壇上記念病院副院長でもある壮大の
強い要請を受けて、同病院に勤務する
という設定。

前回放送回では、沖田が心臓の病で
倒れた自身の父親の手術を行い成功するも、
肉親の手術を行うという異例の状況のなか、
プレッシャーから手術中に沖田にしては
“あり得ないミス”をしてしまう。

それを受け壮大は、沖田がかつて
深く愛した深冬の手術を成功させることが
できるのか、不安にさいなまれ、
自身で深冬の手術を行うことを沖田に
対して宣言するところまでが放送された。

同ドラマでは、さまざまな事態に直面する
たびに対処方針をめぐり沖田と激しく
衝突したり、同病院院長で深冬の父親でもある
壇上虎之介(柄本明)と経営をめぐり対立したり、
さらに深冬の病状への心配に加え、
愛人である榊原実梨(菜々緒)の突飛な行動に
翻弄されたりと、困難続きで感情を爆発させる
「マサオ」こと壮大の“迫真の演技”も話題を
呼んでいる。

たとえば前回放送回では、榊原からビンタを
されると、クビを激しく振りながら
「ウルルルッー」と形容しがたい声を発する
“迷演技”を見せたかと思うと、
今後は長い髪を取り乱して
板チョコ(ちなみに第9話ではマシュマロ)に
かぶりつくなど、まさに浅野の“やりたい放題”の
演技が冴えわたった。

そして今回もマサオの疾走は止まらない。

壮大は深冬に、沖田ではなく自分が手術を行うと
告げるが、後日、深冬は壮大と沖田を呼び出し、
当初の予定どおり沖田に手術をやってほりいと
告げる。

すると壮大はブチ切れ。

ものすごい形相と怒号で
「なんでカズなんだ! え? 
カズは腕がいいからか! 
カズのほうが信用できるからか! え?」と
取り乱し始める。

さらに
「信頼できるのがカズだからだろ! わかった! 
失敗したら殺されても、カズならいいからか!」と
暴言を吐き、沖田から「いい加減にしろよ!」と
なだめられる始末。

するとそこに、壮大が壇上記念病院を別の病院の
傘下に入れることを画策していたことを知った
院長の虎之介が乱入し、
「マサオ君、君を解任する。
この男は、この病院を乗っ取ろうとしていたんだ!」
と突然の解雇通知。

今まで怒りまくっていた壮大は、
急に狼狽したかと思うと、
「そーんなことは、してませんよ!」
「はー、いやいや違うんだ、誤解です! これは!」と
弁明するも、虎之介から
「今すぐこの病院を出ていきなさい!」と
怒鳴られる。

するとマサオは、口をポカーンと空け、
「ヤッベー」というなんともいえない
表情丸出しで絶句したまま、
エンドロールを迎えるのである。

●“本当の”主人公

もう、マサオのやりたい放題である。

おそらく視聴者の半分は、このシーンで笑いを
こらえきれず吹き出したことだろう。

完全に主人公の沖田=木村を演技で食ってしまい、
いつもボソボソと話す沖田の存在感は
薄くなりつつある。

もともとこのドラマは、今でも大切な存在である
深冬を治すために悪戦苦闘しながら、
一方で今では深冬は親友の妻になっているという
現実のなかで、さまざまな葛藤を乗り越えていく
沖田、というのが物語の幹だった。

そうだった、はずである。

が、今回の放送回を見て、確信したことがある。

それは、
「もはや主人公は沖田ではなく、マサオだ」と
いう現実である。

“主人公の逆転現象”である。

妻の難病、病院経営をめぐる数多の問題、
そして経営方針をめぐる虎之介との確執、
ひとえに病院の存続と発展を願っての
行動が虎之介に理解されないもどかしさ、
さらには愛人とのゴタゴタなど、
これでもかというほど次から次に困難に
襲われるも、誰にも自分の苦しみを
理解してもらえないマサオ。

そのたびに長い髪を振り乱して怒る、
怒鳴る、狼狽する、壁をぶん殴って
穴を空ける、不気味な微笑みを
浮かべるマサオ。

もう、毎回放送を見た後には、
マサオしか印象に残っていない。

日曜夜、きっと日本中の家族の間で、
「今回もマサオ、すごかったね」
なんていう会話が交わされていることだろう。

そんな『A LIFE』も、ついに次回で
最終回を迎えてしまう。

沖田が深冬の手術を無事成功させ
「よかった、よかった」
「やっぱりキムタクはヒーローだね」と
いう結末に終わることは見え見えだが、
そんなストーリーは、もはやどうでもよい。

ただただ、最終回でマサオがどんな
“キレっぷり”を見せてくれるのか、
“ラスト・マサオ”が気になるばかりである。

(文=富田憲明/コラムニスト)

Business Journal更新日:2017/03/13

https://gunosy.com/articles/RmATc



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