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“専業ではない”お笑い芸人 バカリズムの脚本家としての強み「プロが避けることをやる」 [お笑い芸人と脚本家のバカリズム]

“専業ではない”お笑い芸人 バカリズムの
脚本家としての強み「プロが避けることをやる」

バカリズム.GIF

お笑い芸人としてはもちろん、
近年は脚本家としても注目を
集めるバカリズム。

そんな彼が原案・脚本を手がけ、
二階堂ふみ、オードリー・若林正恭らと
主演している
ドラマ『住住(すむすむ)』
(1月24日放送開始
日本テレビ・Hulu)も期待値が高い。

お笑い芸人と脚本家との二足の
わらじを履くバカリズムに、
現在の自身の立ち位置について
語ってもらった。

◆コントとドラマの脚本を書くのは、
基本は変わらない

――ドラマ『住住』はそれぞれが本人役
として出ているので、どこまでが演技なのか
素なのかわからない。
ある種“フェイク・ドキュメンタリー”の
ようなドラマですが、この設定は
どんな風に思いついたんですか?

【バカリズム】まず先にこの3人で何か
できないかなってお話があったんですよ。
スタッフと雑談をしている中でそれぞれが
本人役で、僕や若林(正恭)さんが普段、
本当に話していそうな、スケールの
小さいことをテーマとして取り扱って
みたらどうかと。
それってこれまであまりないよねって
ところからスタートしたので、
観たことがないドラマになって
いったんですよね。

――よりリアリティを出すために
こだわったことは?


【バカリズム】コントの台本は笑いのための
要素を詰め込んでいくいわばプラスの
作業ですが、『住住』はいらない
セリフをどんどん削除していく
作業がメインでした。
面白くても日常にはない言い回しとか、
コントではウケても実際に言ったら
白々しいなってボケとかは全部、
削っていく引き算の方が多かった。
それで、さらに撮影の段階でも、
浮いてしまうセリフやリアル
じゃないものはカットして、
より日常に近い感じにしていったんです。
だから、どんなんだろうって
心配ではありましたよね。

――脚本を書くときとお笑いのネタを
書くときって、やり方や感覚は
違うんですか?

【バカリズム】基本は変わらないです。
ネタを作るときは日常の何気ないシーンを
どれだけ誇張するかってところが
ベースになるけど、脚本の場合は
それをドラマ用に書き換えるぐらい。
根っこの部分はコントを書くのと同じです。

◆脚本の仕事は芸人をちゃんと
やったことのご褒美

――2クール続けて連続ドラマを
手がけていますが、人気脚本家
として期待されている現状を
ご自身はどう捉えていますか?

【バカリズム】僕自身は自分が脚本家って
感覚はないかも。
割合的にもう少し脚本家にシフトして
いればそういう意識も芽生えるんで
しょうけど、ガッツリ芸人をやって
いますからね。
芸人がちょっと脚本を書かせてもらって
申し訳ないって感じだし、
芸人をちゃんとやっているからこその
ご褒美だと思っているんですよ。
しかも今は脚本を書いている中で
学んだことや刺激を自分のネタにも
活かせるっていう、相乗効果に
なっているから、このまま両方やり
続けていければいいなとは思います。

――芸人さんとしてこれだけ忙しい中で、
脚本はいつ書いているんですか?

【バカリズム】収録が終わって、
共演者たちがごはん食べに行ったり
寝ている時間です。
みんなが帰る姿を見送りながら、
自分は作業場に行って朝まで書いて
ちょっと寝て、またお笑いの現場に
行くっていう生活。
だから本当にプライベートの時間を
そのまま使っているんですよ。
このサイクルはもう3年ぐらい続いていて、
365日中360日ぐらいは作業場に
いるんじゃないかな。

――それ、辛くないんですか?
それともむしろ楽しい?

【バカリズム】いや、辛いですよ(笑)。

――それでも書きたい?

【バカリズム】多分、今は一番、
頭が回転してたくさん書ける時期だと
思うので、できるだけやって
おきたいって気持ちが強いんでしょうね。
あと芸人と脚本の両方やるように
なってから、バランス的にいい
感じになっていますね。
脚本を書いているだけだと
普通は顔とかわからないけど、
芸人をやっているおかげで
「このドラマはオレが書いてます」って
知ってもらえるじゃないですか。
そもそも僕はモテたくてこの世界に
入っているので、顔を出して
そういうことを言いたいわけですよ。
で、一方では
「(芸人なのに)脚本も書いてんの?」って、
これまたチヤホヤされるっていう、
そのスタンスがちょうど
いいんですよねぇ(笑)。

――(笑)。脚本を書くようになってから、
お笑いの現場でも扱いとか変わりました?

【バカリズム】いや、これが全然変
わらないんですよ。
もっと変わると思っていたのに
なんだよって。
バラエティの現場に行ったら
ガッツリ芸人として扱われる。
それはそれでありがたいんですけどね。

◆プロの脚本家が避けることをやる、
そこが僕の強み

――今後も脚本家としての需要は
さらに増えると思いますが、
そこからさらに枠を広げて、
映画監督やドラマ演出も
やってみたい気持ちはあります?

【バカリズム】どうでしょうねぇ、
僕、映像に関してはまったく知識が
ないんですよ。
やるためには絶対、勉強しなきゃならないし、
やってみたい気持ちもありますが、
僕が脚本を書いて、あとは監督さんに
味付けをしてもらったものを
観るっていうのも楽しいです。
だからどっちかというと
今は自分が撮りたいって欲求よりは、
単に
「撮ったらオレ、カッコいいよな」って、
そこに魅力を感じますね(笑)。

――なるほど(笑)。

【バカリズム】でも劇団ひとりに映画を
撮ったときのことを聞いたら、
「すごく楽しかった」って
言ってたんですよ。
「どんなに朝早くても
全然苦じゃなかった」って。
品川(祐)さんも
「メチャクチャ面白いですよ」って
言ってたから、やっぱり監督って
ハマるんだなとは思う。
芸人さんってネタを作るのが好きな人も
多いじゃないですか。
だから元々、体質的に物作りに
向いている部分はあるのかもしれない。
ただ、僕の場合は、これまで
映画とかドラマをほとんど
観てきてないですからね。
もし監督をやるなら、
まずはいろんな作品を
観るとここからスタートしないと。

――でも観てないないからこそ、
ああいう誰も考えつかない作品が
書けるのかもしれないですよ。

【バカリズム】それはあるかもしれない。
というのも僕、プロの脚本家が
避けることばっかりやっている
らしいんですよ。
全部、逆をいっているって、
ある監督さんに言われました。
強いて良さを挙げるなら、
そこが僕の強みなの
かもしれないですね(笑)。

(文:若松正子)

オリコン 1/31(火) 8:40配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170130-00000338-oric-ent
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