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<解散秒読み>識者が語る「アイドル」SMAPが残した物 [識者が語る「アイドル」SMAPが残した物]

<解散秒読み>識者が語る
「アイドル」SMAPが残した物

「アイドル」SMAPが残した物.GIF
12月21日に発売されたSMAPのベストアルバム
「SMAP 25 YEARS」。
レコード店ではコンサートのDVDなど
とともに陳列され、多くのファンが買い求めていた
=東京都渋谷区のタワーレコード渋谷店で
2016年12月21日、大村健一撮影


平成という時代をトップアイドルとして
疾走してきた「SMAP」が
12月31日をもって、
グループとしての活動にピリオドを打つ。

CDデビューから四半世紀、
1988年のグループ結成から
数えると28年間も
バラエティーやドラマ、音楽、
映画などさまざまなジャンルで活動し、
「国民的アイドル」に育った
グループの不協和音が発覚してから
約1年。

解散時期が刻一刻と近づくが、
メンバーの口は一様に重く、
揣摩臆測(しまおくそく)を
呼んでいる。

私たちは一連の解散騒動をどのように
とらえればいいのか。

「これほど長く第一線で活躍した
アイドルグループはいなかった。
きっとこれからも出ないだろう」。

こう口をそろえる各界の有識者らの
インタビューを通して、
彼らの足跡と展望を考えた。

【「SMAP『解散』研究」取材班/
デジタル報道センター】

◇「解散」報道が先行 真相は藪の中

「詳しい内情は知りません。

自分が後輩について中途半端に話すことは、
とても失礼なことだと思う。

一つだけ言えるのは、結成から
28年間も第一線で活躍する
アイドルグループなんて、
これまでもなかったし、
これからも出てこないでしょう」。

かつてSMAPと同じジャニーズ事務所に
所属し、80年代後半から90年代
前半にかけてローラースケート姿で
さっそうとトップアイドルに登りつめた
「光GENJI」の元メンバー、
大沢樹生(みきお)さんは慎重に
言葉を選びながら、彼らの歩みをたたえた。

トップに君臨し続けることの難しさは、
トップにいた者にしか分からない。

大沢さんは光GENJIとして
7年間活動し、94年に俳優として
ステップアップするために脱退した。

当時、メンバー間の「不仲」が
マスコミに取りざたされたが、
「本当に不仲だったら7年間も一緒に
活動できません。

当時書き立てられたほど、
仲が悪かったわけではないです」と
振り返る。

近年は元メンバーと共演する機会も
増えている。

今年1月、メンバー数人の脱退などが
スポーツ紙で報じられ、公になった
解散騒動--。

1月18日、フジテレビ・関西テレビ系
「SMAP×SMAP(スマスマ)」の
生放送で5人が並んで「謝罪」し、
木村拓哉さんが「前を見て進みたい」と
画面を通じてファンに語りかけて、
一時的に解散は回避された。

しかしSMAPを育てた
女性マネジャーの退社をきっかけに、
再びスポーツ紙や週刊誌をに
ぎわすようになる。

真相が藪(やぶ)の中のまま、
8月14日未明、今年限りでの
「解散」が発表された。

◇「時代の変わり目」感じた解散騒動

「日本のアイドル史の中でもナンバーワン。
お疲れ様ということに尽きる。
でも終わり方に対して、
もっと良い形で花道を作れなかったのか」。

こう話すのはアイドル評論家の
中森明夫さん。

1月の生放送での謝罪は、
ソーシャル・ネットワーキング・
サービス(SNS)上で
「公開処刑」とも指弾され、
ファン以外からも「痛々しい」との
声が聞かれた。

中森さんの問いかけは、
芸能マスコミにも向けられる。

「本当なら、芸能リポーターが突撃する
場面でしょ。

ワイドショーのコメンテーターも
(他の芸能案件と違って)
SMAPについては何も言わない。
一般の人々と言葉が
乖離(かいり)している」

中森さんは、2003年3月に発売され、
最大のヒット曲となった
「世界に一つだけの花」の
歌詞になぞらえながら、こう続けた。

「彼らが体現してきた
『SMAPイズム』は平成最良の精神です。
日本は高度経済成長からずっと
『ナンバーワン』になる思考でやってきた。

それが90年代に入ってバブルがはじけて、
95年にオウム真理教事件や
阪神大震災もあって社会不安が起き、
経済的にも長期停滞に突入した。

この20年くらいは
『オンリーワン』で楽しくできる
じゃないかという感じだったと思う。

たまたま、天皇陛下の退位問題が
出た今年、その終わりを感じた」。

こうした論考からは、
一アイドルの解散にとどまらず、
時代が大きな転換期に
直面していることが浮き彫りになった。

◇絶大な人気の背景にあった
「個」の力 引き継がれたメカニズム

なぜ彼らは、ここまでお茶の間に
愛されるのか--。

最大の理由は、5人が独自の
キャラクターを持つのが強みであると
指摘した有識者が多かった。

80年代以前のアイドルは、
きらびやかな衣装で統一され、
メンバー全員がそろった形での
活動がメインだった。

しかしSMAPは違った。

それぞれがテレビなどの
レギュラー番組を持ち、
そろってメディアに登場するのは
週1回のスマスマが中心。

衣装もバラバラなことが多く、
「自然体」を貫いている。

「SMAPのブランド力を増大させて
いくための戦略と考えれば分かりやすい」
と指摘するのは、宣伝会議取締役の
田中里沙さん。

定番のお菓子に風味を増やして
ブランドの魅力を増やすような
「ブランドエクステンション
(ブランド拡張)」と呼ばれる手法である。

かつてなかった取り組みは
マーケティングの観点からも
理にかなっており、「嵐」など
後輩たちに引き継がれるように
なったという。

長年にわたって
ジャニーズ事務所所属アイドルを
講義で取り上げている
明大法学部非常勤講師の関修さんも
「SMAPは中居(正広)君が
司会で活躍し始めたのをきっかけに、
各メンバーが外へ、外へと活動の場を
広げていくことでマニアックではない、
ライトなファン層を増やし続けた。

(彼らの後に続く)
V6、
TOKIO、
嵐なども20年前後にわたって
長く活動している。

SMAPが新しいアイドルの形の
先駆けとなった」と見る。

◇5人だからこそ名曲に 
ファンの思いは届くのか

ファンはグループの存続を願って、
有志が9月下旬から署名活動を開始。

12月に入り、37万筆もの
ファンの思いがジャニーズ事務所に
届けられたが、事務所側は
「これまでも数々の存続に向けた活動の
方向性をメンバーに提案して
まいりましたが、本人たちの強い意志を
崩すまでに至らず、グループ存続が
困難であるということを、
苦渋の決断で受け入れた次第です」と
否定的だった。

「世界に一つだけの花」が高校音楽の
教科書にも掲載された話は有名だ。

そのCDを購入する通称「花摘み」と
呼ばれる運動も続く。

発起人は不明だが、今年に入って
既に40万枚以上を売り上げ、
目標とされる累計300万枚も
突破(オリコン調べ)。

「およげ!たいやきくん」
(子門真人)、
「女のみち」
(宮史郎とぴんからトリオ)に次ぐ
シングル売り上げ歴代3位となった。

音楽評論家の富澤一誠さんは
「歌唱力がずぬけて優れていたとは
思わないが、SMAPが歌ったからこそ
名曲になった曲は多い。
『いい曲』がイコールで『いい歌』に
なるわけではない。

それにふさわしい歌手が歌って
初めていい歌になる」と言う。

5人が同じメロディーを歌いあげる
「ユニゾン」中心の歌唱は、
90年代に通信カラオケが普及したことも
追い風になり、
「みんなで歌いやすい」
SMAPの曲は愛唱されてきた。

いわば、5人は時代の申し子だったのである。

解散後、5人がそろう場面があるのかは
誰も分からない。

せめて大みそかのNHK紅白歌合戦に
出演して「有終の美を飾ってほしい」と
期待する声は少なくないが、
状況は不透明だ。

◇当面は盤石な活動 
解散が「チャンス」の可能性も

「SMAP」という金看板がなくなっても、
5人それぞれが芸能の第一線で活躍する
状況は当面続きそうだ。

来年1月スタートの連続テレビドラマで
木村さんが「A LIFE~愛しき人~」
(TBS系、1月15日夜9時スタート)、
草なぎ剛さんが「嘘(うそ)の戦争」
(フジテレビ系、1月10日夜9時スタート)
に主演。

いずれのレギュラー出演番組も
「SMAP」を想起させるタイトルの
変更はあっても、継続されるものが
ほとんどだ。

「光GENJI」を脱退し、
あえて独りの道を選んだ大沢さんは
「40代半ばで新たな道を進むのは
大変なこと。

アイドルに限らず、普通の会社員でも
『ずっと勤めてきた会社を辞めて、
新しいことにチャレンジしたい』と
言い出したら、間違いなく家族が
大反対をするでしょう。

彼らがこれまでやってきたことを
誰かがマネしようとしても、
簡単にできるわけがない。

後輩ですけど、すごくリスペクト(尊敬)
しています」とエールを送る。

苦難の道を歩んだ経験は今、
俳優・映画監督としてキャリアに
生きているという。

批評誌
「PLANETS(プラネッツ)」
編集長でサブカルチャーに精通する
評論家の宇野常寛さんは
「(解散が)日本のエンターテインメント界に
地殻変動をもたらすチャンスだ」と期待する。

テレビ中心だった活動から、
従来消極的だったネット配信を
中心とする活動にまで踏み込むことが
できれば、多くのファンが
ついてくるのではないかと見る。

SMAPで始まり、SMAPで終わった感の
ある2016年。

1年後、彼らはどんなふうに
語られているだろうか。

毎日新聞 12/22(木) 11:42配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161222-00000039-mai-soci
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