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ドラマやバラエティにと拡大 “下町”コンテンツ再評価のワケ [ドラマやバラエティにと拡大 “下町”コンテンツ]

ドラマやバラエティにと拡大 
“下町”コンテンツ再評価のワケ

“下町”コンテンツ.GIF

このところ“下町”を舞台にした
コンテンツを見かける機会が増えている。
例えば
『山田孝之の東京都北区赤羽』
『東京センチメンタル』(テレビ東京)、
『下町ロケット』(TBS)と
いったドラマから、散歩系や酒飲み系の
“街ぶら”バラエティ番組まで、
赤羽や阿佐ヶ谷、蒲田といった
庶民的で昭和の名残りある場所が
舞台となっている。

下町を舞台にしたドラマや映画は
昔からあるものだが、ここにきて
改めて注目を集めているのだ。
なぜ今、“下町”コンテンツなのだろうか?
■そもそも“下町”の定義とは? 
その解釈は年々変化
舞台を下町に設定したコンテンツは
昔からあるものだが、
そもそも“下町”とはどこのことを
指すのだろうか。

それを示すのに、わかりやすい
比較対象が「山の手」だろう。
東京の四谷や青山、小石川、本郷など
文化水準が高く、高台の土地を
「山の手」と呼び、これに対して、
人情味あふれる低地の浅草、下谷、
神田、日本橋、本所、深川あたりを
「下町」とするのが一般的だ。

しかし、山の手も下町も実は厳密に
場所は特定されておらず、
最近ではイメージ先行で、
“雰囲気”や“情緒”があるところを
「下町」とし、広い意味合いで
使われることが多くなっている。

例えば、ストーリーの場所にこだわる
NHK連続テレビ小説では、以前から
下町を舞台にすることは多い。

1980~90年代の作品にも両国や
木場を舞台に選んだものがあったし、
『梅ちゃん先生』は蒲田で
開業した話が展開され、
記憶に新しい『とと姉ちゃん』の
第2舞台は東京・深川だった。
また、最近は民放の地上波ドラマでも
恋愛モノなどと比較して下町の
人情劇を描いたものが目立っており、
昨年放送された池井戸潤原作の、
下町の町工場を舞台にした
『下町ロケット』(TBS系)は、
平均視聴率20%超えで2015年の
民放連続ドラマ1位を記録。

深夜ドラマでも、とくにテレビ東京では、
フィクションとノンフィクションの
境界線を行き来するような
“攻めた”演出で注目を集めた
『山田孝之の東京都北区赤羽』
(2015年)の赤羽、
下町の実在する店にこだわった
『東京センチメンタル』
(2016年)の言問橋といった、
これまで注目されていなかった
マニアックな下町情緒溢れる
ロケ地を主役にしている。

この流れがバラエティ番組にも
起こっている。

その前提として、テレビ東京で
放送された松重豊主演
『孤独のグルメ』のヒットがあるだろう。

中年のダンディなおじさんが、
下町のコアな雰囲気漂う店で
美味しいごはんに舌鼓を打つ
――同ドラマのヒットでは
食ドラマが増えたが、
バラエティ番組でいわゆる
下町の居酒屋などでタレントが
酒を飲む番組が増えたり、
再評価を受けたりした。

例えば、下町で言葉は悪いが
“だらしなく”飲むことを確立させた
『吉田類の酒場放浪記』(BS-TBS)を
はじめとする酒飲み番組では、
中央線沿いや蒲田、赤羽、北千住と
いったエリアはもはやお馴染みとなった。

シャレたバーでカクテルなんてものとは
縁遠い、昭和のまま時間が止まって
しまったかのような店を好む傾向がある。
ユルさが売りの
『モヤモヤさまぁ~ず2』(テレビ東京)
やマツコの
『夜の巷を徘徊する』(テレビ朝日系)、
『有吉くんの正直さんぽ』(フジテレビ系)
といった街歩き番組なども、
度々ロケ地に下町が選ばれることが
多くなっている。

■下町独特の“生活臭”がリアリティを
生み、若年層にとっては新鮮な“画”に
ではなぜ今、テレビなどで
下町コンテンツが改めて人気を
集めているのだろうか。

まずは、ドラマなど番組のターゲット層が
高くなっているということが
挙げられるだろう。

昭和を知っている世代の多くは
当時を懐古する向きが高く、
現代においてそれを味わえる
下町はうってつけなのだ。

一方、若年層にとっては、かえって
“昭和臭”が新しく映るといった
効果もあるし、むしろ下町のほうが
現実の世界に近いと感じる人も
多いのではないだろうか。

例えば、少し前のドラマなら、
東京タワーの夜景が見える都会的な
マンションに住んでいる主人公に
あこがれる人も多かっただろう。

しかし、今期でいうと
『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』
(日本テレビ系)の主人公は下町の
商店街で買い物をしていたり、
住んでいる部屋はいかにもといった
感じの佇まいだ。

浮世離れした都会ものよりも、
近い目線で楽しめるほうが
感情移入しやすい。

ロケーションだけで親しみやすさを掴み、
番組の内容に自分を重ね合わせて
観る人も多いのではないだろうか。

人間ドラマを描くときに“下町人情”を
テーマにしたほうが、よりドラマティックに
なるという理由もあるだろう。

「夢を諦めない」をテーマにした
『下町ロケット』にはそれが必要だった。

演出の福澤克雄氏(TBS)は先日行われた
国際ドラマフェスティバルin Tokyoの
授賞式の場で
「日曜9時は働くみなさんに
元気になってもらう枠。
(下町の)モノづくりの現場を描いた
『下町ロケット』はまさに前向きに
なれる作品だからハマったのだろう」と
語っていた。

今は生活臭や泥臭さがむしろプラスの
イメージに捉えられ、支持されている。

下町コンテンツが求められる動きは
今後もまだ続いていきそうだ。

(文/長谷川朋子)

オリコン 11/10(木) 8:40配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161109-00000349-oric-ent
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