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小栗旬が語る俳優論「もっと役者が責任を背負ってもいい仕事」 [小栗旬が語る俳優論]

小栗旬が語る俳優論
「もっと役者が責任を背負ってもいい仕事」

小栗旬0.GIF

『信長協奏曲』で時代劇に臨んだかと思えば、
『テラフォーマーズ』では近未来の世界で
奇抜なファッションに身を包んだ
科学者を演じるなどバラエティに富んだ
役柄に挑んでいる小栗旬。
最新出演作『ミュージアム』では、
史上最悪の猟奇殺人鬼に追いつめられる
主人公の刑事・沢村を体当たりで
演じている。
家族の協力とともに徹底した役作りで
挑んだ今作の撮影で感じたこと、
さらに、今の日本の
エンタテインメントシーンに抱く
いち役者としての熱き想いを
語ってくれた。





◆30代は大人の男性を演じたいと
ずっと思っていた

――沢村のオファーを受けたときの
印象はいかがでしたか?

【小栗旬】これまで漫画原作の作品に
多く出演させていただいたなかで、
沢村のような役をやりたいと
思っていてもなかなか機会が
なかったんです。
30代になってからは青年ではなく
大人の男性を演じたいとずっと
思っていたので、今回のお話を
いただいて「ぜひやりたい!」と
思いました。

――年齢や経験を重ねた今だからこそ
表現できることも多かったのでは
ありませんか?

【小栗旬】そうですね。
完成した作品を観て、自分が親に
なったことが間違いなく沢村を演じる
うえでプラスになっていると改めて
実感できました。
今だからこそ表現できたことがたくさん
あったんだなって。

撮影はキツかったですけど沢村を演じること
ができて本当に良かったです。

――沢村が追いつめられていく後半の
シーンの撮影では、ご家族に協力して
もらってなるべく幸せな時間を
作らないようにしていたそうですね。

【小栗旬】そうなんです。ちょうどクリスマス
のシーズンに過酷な状況の撮影をしていたので、
街に出たら幸せそうな顔をしている人たちを
見てしまうし、家に帰ったら家族で
クリスマスを過ごしたくなってしまう。

それはさすがに沢村の状況を考えると、
僕が精神的におかしくなってしまうと
思ったので、ホテルと撮影所の往復だけで
外には一切出ないようにしていました。

家族の協力はありがたかったです。
ただ、こういうアプローチは自己満足の
世界でもあるので、完成した作品にきちんと
現れていないと意味がないんですけどね。

――大友監督から
「ブレーキをかけなくていい」と
言われたそうですが、思い切り演じることが
できましたか?

【小栗旬】ブレーキをかけずに演じたことで、
少し短絡的な表現になっていると感じる部分も
正直ありました。

それは完成作を観て気づいたことですが、
自分の演技に対して良かったと思える部分と
反省点の両方があったので。

俳優の仕事は何を正解とするかそのつど
変わっていきます。

1年前の僕がチョイスした芝居が今作の
沢村の表現になっていますが、
いま完成作を観るとつくづくお芝居で
何かを表現することは難しいことなんだなと
感じた部分もありました。

◆日本の役者は、出演料が幾らなのかさえ
知らずに仕事をしている人も多い

小栗旬1.GIF

――作品へのアプローチの仕方は役者に
よってそれぞれ違うと思いますが、
小栗さんは演じるだけではなく、
企画から関わっていきたいということも
おっしゃっていますよね。

【小栗旬】世界中にいろいろな考え方の
俳優がいて、役を作ることだけに
特化している方も当然います。

でも、僕は一緒に作ろうとしてくれる人たちが
いるなら、役者としてだけじゃなく
一歩踏み込んだ形で参加したいと思っています。

――日本では所属事務所のマネージメントが
しっかり確立されていますが、そこに
対しての想いもあるのでしょうか。

【小栗旬】 自分がやりたい作品とは全く違う
タイプの作品をマネージメントが
決めることもありますが、
それに出演したことで
「こういう小栗旬が観たかった」と
言っていただけることもあります。
そういった反応が生まれるのは
おもしろいのですが、俳優としての
リスクが少ないんじゃないかなと
思う部分もあって。

もっと役者が責任を背負ってもいい仕事だと
思うんです。

――“俳優としての責任”という意識は
どうすれば高めていけると思いますか?

【小栗旬】海外でお仕事されている方に会うと、
みなさん普通に出演料とかお金の話をするんです。

自分はこの作品でいくら貰ったとか(笑)。

日本の役者は、ひとつの作品に出演して
どのくらいの出演料をいただいているのかさえ
知らずに仕事をしている人も多いん
じゃないかなって。

どっちが正しいとは言えませんが、
それもきちんと知ることによって、
役者のなかに生まれる責任感も
大きく変わってくると思います。

◆それぞれ責任を負うことで、
作品にとって良い方向につながっていくはず

小栗旬3.GIF

――責任という意識を高めた人たちが
映画製作に関わることで、日本映画界全体が
底上げしていったらすごくいいですよね。

【小栗旬】もっとみんながそれぞれ責任を
負うことで、例えばプロモーションにも
積極的になったり、いろいろな
アイディアが生まれたり、作品にとって
良い方向につながっていくと思うんです。

なんとなくプロモーションをやって、
責任を負うのは主演だけみたいなところも
正直あるじゃないですか。

でも、一緒に作品を作った人たちが高い志と
大きな責任を負っていれば、現状のいろいろな
ことが変わっていくんじゃないかなと
思うんですよね。

――先ほど、ご自身がやりたいものとは
違う作品への出演にもおもしろい反応があると
おっしゃっていましたが、今年の出演作を
見ると役柄や作品がバラエティに富んでいますね。

【小栗旬】ここ最近は、オファーをいただく役に
関しては、すごく良い流れができていると
感じています。

つい最近まで『銀魂』の主人公・坂田銀時を、
今は『君の膵臓をたべたい』で久々に
キラキラした人物を演じていて、
次回公開作品は『追憶』の少しくたびれた
男の役が控えています。

そういう異なる役柄を選んでいるわけでは
ないのですが、何か不思議な力が
働いているような、良い風が吹いているん
じゃないかと感じながら
お仕事をさせていただいています。

――自身のイメージの定着を避けるために、
意識的に重ならない役柄や作品を
選ぶということはないですか?

【小栗旬】全く意識していないです。
というのも、僕に対してイメージを
固定化している人は、僕がどんな役を
演じようが簡単には変わらないと思うので。

最近あるテレビ番組を観ていたら、
僕のモノマネをされている方が
何人か出てきたんですけど、
全部似たような感じだったんです(笑)。

僕はこういうイメージなんだなと
実感できたというか。

でも、逆にイメージが固定化されていたほうが、
チャレンジングな役を演じたときに
おもしろがってもらえるという
楽しみもありますよね。

(文:奥村百恵)

オリコン 11/2(水) 8:40配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161101-00000350-oric-ent
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