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政府“異例”の「Pokemon GOチラシ」、実は「1日で作った」 電光石火を支えた秘策は [政府“異例”の「Pokemon GOチラシ」]

政府“異例”の「Pokemon GOチラシ」
実は「1日で作った」 
電光石火を支えた秘策は

文月涼.GIF

「ポケモントレーナーのみんなへのおねがい♪」
――大ヒット中のスマートフォンゲーム
「Pokemon GO」が日本で公開される2日前、
内閣サイバーセキュリティセンター
(NISC)がそんな見出しのチラシを
Twitterで公開して話題になった。
イラスト入りのチラシは、Pokemon GOを
遊ぶときの注意事項をまとめたもの。
「個人情報を守ろう」
「偽アプリ、チートツールに注意」
「歩きスマホは×ですよ」
など9項目が書かれている。


Pokemon GOチラシ.GIF


文中には「ポケモントレーナー」
「ロケット団」などゲーム内の
用語が登場するほか、
「本名とは違う、いかしたニックネームを
付けましょう」
「人気のない場所には、
別の意味でのモンスターがいるかも」
といったやわらかい表現も。

ネットでは
「役所っぽくない」
「子どもでも分かりやすい」
「遊び心がある」など、
“異例の注意喚起”として評判を呼んだ。

「実は1日ほどで作った」――
NISCの山内智生内閣参事官と
文月涼 上席サイバーセキュリティ分析官は
こう振り返る。

チラシ作成の狙いと経緯を聞いた。

●「実は1日ほどで作った」

Pokemon GOは、米国などで日本に
先立ち7月初旬に配信スタート。

すぐにプレイヤーが急増して
“社会現象”になった一方
偽のPokemon GOアプリが出回ったり、
歩きスマホによる事故が起きたりと、
さまざまなトラブルも発生していた。
こうした事態を受け、NISCでは
「日本で配信が始まれば
同様の事態が起こるかもしれない」
(山内さん)と危惧。

ただ、山内さんは
「Pokemon GOというせっかく生まれた
技術を、『けしからん』の一言で
規制するのはもったいない」
とも考えていたという。

「人気コンテンツはバッシングの
対象になりがち。
“注意喚起”というよりも、
楽しく安全に遊んでもらうために、
気をつけてほしいことを伝えたかった」。

「チラシの作成には、あまり時間を
かける余裕はなかった」。
日本での配信が始まっていなくても、
小中学校の夏休みが始まる前に
注意を呼び掛ける必要があったからだ。
「ポケモンのゲームとなると、
子どもたちが遊ぶはず。
彼らが学校にいる間にチラシを
公開して教育現場で配ってもらわないと、
注意が行き届かず、効果がいま
ひとつになってしまう」。
しかし
「役所なので、思い付きでは
チラシは作れない」(山内さん)。
通常、注意喚起のポスターなどを
作るとなると、内容に問題がないかを
チェックしたり、イラストの作成を
外部に委託したりして、完成までに
1カ月ほどかかる。

だが
「Pokemon GOのチラシの場合は、
1日程度でベースを作成し
夏休み前の公開に間に
合わせることができた」
(文月さん)という。

なぜ1日でチラシが作れたのか――
その答えは、NISCが企業や学校向けに
Webサイトで公開している
「情報セキュリティハンドブック」
(9月16日現在は第1章まで公開)にある。

文月さんによると、チラシに掲載した
注意事項の一部やイラストは、
このハンドブックから抜粋した
ものだという。

「役所だから、事前に共有している
内容でないと、すぐにはゴーサインを
出せない。
日頃からさまざまな事態を想定して
ハンドブックにまとめていたからこそ、
短期間で対応できた」
さらに、子どもが読んで分かりやすい
ように表現を書き換えたり、
イラストを一部加工したりと
工夫を凝らした。

「利用者へのお願い」
というタイトルにすると
「読まれずにすぐ捨てられてしまう」
と考え、ポケモントレーナーなど
興味を引くフレーズを取り入れた。

「コンテンツに対してコメントする
ときの礼儀だと思い、用語などは
しっかりと調べた」
(文月さん)。

●「攻殻機動隊」ともコラボ 
「コンテンツへのリスペクトを忘れない」

NISCの“役所っぽくない”取り組みは、
Pokemon GOのチラシだけにとどまらない。
今年1月には、サイバー攻撃や
個人情報流出への関心を促すために、
アニメ「攻殻機動隊 S.A.C.」と
コラボレーションしたポスターや、
攻殻機動隊の公式サブストーリー
漫画などを作成、公開した。

「以前から、NISCの部署内で
『攻殻機動隊』と親和性があると
漠然と皆が考えていたようで、
誰からも反対はなくスムーズに
準備が進んだ」
と文月さんは振り返る。

注意したポイントは、
Pokemon GOと同じく
「コンテンツへのリスペクトを
忘れないこと」
(文月さん)だ。

NISCが伝えたいメッセージを込めつつも、
アニメの世界観を壊さないように意識し、
いかにも作中のキャラクターが
言いそうな“決めぜりふ”を
取り入れたという。

「ファンが見たときに
『こんなせりふは言わない……』と
残念に思ってほしくなかった」。

コラボの準備を進める間、
「漫画やDVDのセットが部署内を飛び交い、
ファンじゃない人はいなかった」
と文月さんは振り返る。

「素子がサイトーをスカウトしたせりふ
『いい腕をしているな! 
いまから私の部下になれ!』を使おう」
「タチコマの出番が少ない!」など
ファンならではの議論が繰り返され、
「最終的に壁に貼ってみて、
制作メンバーが『これでいい』と
納得できるポスターが完成した」という。

●“役所らしくない”を目指して
NISCは、2011年ごろから東南アジアや
欧米諸国の機関と連携して
「サイバーセキュリティ国際キャンペーン」
と題し、イラストや動画を多用した
啓発運動を展開。

コンテンツを生かすノウハウを
蓄積してきたという。

「以前はA3用紙にぎっしりと文字を
書いて説明していたが、スマホを
使う世代に直感的に説明するとなると、
アプリの画面や映像を交えて
15秒くらいで分かってもらうことが
必要ということに気付いた」
と山内さんは話す。

今年2月にはTwitter
(NISC@みんなのサイバー天気予報)と
LINE(NISC@サイバー天気予報)の
アカウントを開設し、やわらかい
テイストのコンテンツを日常的に
配信できる環境づくりを進めている。

ただ、山内さんによると、イラストが
入ったコンテンツを毎日のように
配信できるかは“人次第”だという。

「文字ばっかりになるか、
役所らしからぬ絵を入れられるかは、
役所内や身近にイラストレーターが
いるかどうかによって変わってくる。
これは引き続き課題と考えている」
(山内さん)

ITmedia ニュース 9月20日(火)9時6分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160920-00000023-zdn_n-sci


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