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4番目の「ディズニーホテル」はなぜ安いのか [4番目の「ディズニーホテル」]

4番目の「ディズニーホテル」はなぜ安いのか


4番目の「ディズニーホテル」.GIF

6月中旬の休日、オープンしたばかりの
「東京ディズニーセレブレーション
ホテル:ウィッシュ」を訪れた。

入り口をくぐると、
「アリスのティーパーティー」に
出てくるようなティーカップに乗った、
ミニーマウスが迎えてくれる。

このホテルは、かつて
「パーム&ファウンテンテラスホテル」の
「ファウンテンテラスホテル」
という名称だった。
6月1日に
セレブレーションホテル:ウィッシュ
として、リニューアルオープン。

客室には2つのベッドに加え、
同数のソファーベッドが備え付けられており、
4人まで宿泊できる。

現在、客室352のうち、
ほとんどが満室状態だ。

道路を挟んだ向かいでは、
ウィッシュ棟がオープンした6月1日、
もうひとつの
「パームテラスホテル」が閉館。

9月に
「セレブレーションホテル:ディスカバー」
として開業する予定だ。

■ あえて簡素な宿泊特化型に
2棟からなるセレブレーションホテルが話題を
集めたのは、ディズニーのキャラクターを使った、
4番目の“ディズニーホテル”という
位置づけにある。

客室やロビーではディズニーの世界観を
体現できる内装があしらわれ、
エレベーターに乗ればミッキーの声で
アナウンスしてくれる。

今回、オープンしたウィッシュ棟は、
東京ディズニーリゾート(TDR)の
ファンタジーランドをイメージした内装。

実際にホテルのロビーには
「アリスのティーパーティー」
「キャッスルカルーセル」
といったアトラクションをモデルにした
オブジェが置かれている。

9月に開業のディスカバー棟は
アドベンチャーランドを
イメージした内装になる予定である。

ディズニーホテルといえば、
TDR近隣にある
「東京ディズニーランドホテル」、
「東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ」、
「ディズニーアンバサダーホテル」
の3つのリゾートホテルが有名だ。

ディズニーホテルの宿泊者には、
開園15分前から入園できる
「ハッピー15エントリー」や、
混雑して入場制限をしているときも
入園を保証するといった特典がある。

この3つのホテルは1室で1泊5万~6万円と
高額だが、年間稼働率が90%台の
盛況ぶりである。

ところが4番目のディズニーホテルである
セレブレーションホテルは、従来の3つの
ホテルとは少し異なっている。

既存のディズニーホテルが、
TDRまで徒歩で行ける場所にあり、
結婚式場やレストランを抱え、
徹底的にディズニーの世界観を表現した
内装になっているのに比べ、
セレブレーションホテルの内装は
やや簡素で、レストランも朝食のみ
提供している。

立地もTDRまでは専用のシャトルバスで
15分ほどの距離にある。

当然、結婚式場といった設備はなく、
客室単価も1泊で約3万円程度と
やや安めの設定。

いわゆるビジネスホテルや観光者向け
ホテルのような、宿泊特化型
作りになっている。

4軒のディズニーホテルを運営している
のは、TDRを運営するオリエンタルランド
の傘下で、ホテル事業を統括する
ミリアルリゾートホテルズの
グループ会社だ。

同社はTDR周辺を地盤に8軒の
ホテル運営を統括している。

■ 帝国ホテルより高い収益力

高単価・高稼働のディズニーホテルを
抱えていることもあり、
ミリアルリゾートの収益は目を
見張るものがある。

オリエンタルランドの開示資料によれば、
2016年3月期のホテル事業は
売上高631億円、
同セグメント利益は138億円。

帝国ホテルが売上高558億円、
営業利益が40億円、
ということに比べれば、
その収益力の高さは際立っている。

同業を圧倒するディズニーホテルを
持っているにもかかわらず、
あえて宿泊特化型のディズニーホテルを
展開する理由を、ミリアルリゾートホテルズ
の久保哲也・セールス&マーケティング部長は
「ディズニーホテルとして、顧客の選択肢を
もっと増やすため」と語る。


3軒のディズニーホテルは客室単価5万~6万円と、
気軽に泊まれる金額ではない。

ディズニーの世界観に浸ったり、
15分前入園といった特典を得たいといった、
幅広い顧客のニーズを満たすため、
改装に踏み切った。

「気持ちの面でも、財布の面でも、
もっと使い分けてほしい」(久保氏)。

総額約40億円という改装の効果は大きい。

それまで旧パーム&ファウンテンテラス
時代の平均客室単価が2万円ほどだったのだが、
リニューアルを機に1万円ほど上昇。

客室の稼働率も大きく改善した。

もうひとつ、背景にあるのがTDRの好調ぶりだ。

入園者数は1983年の開園当初は1000万人台
だったのが、2001年9月にディズニーシーが
オープンすると、初めて2000万人を突破。

2014年以降は毎年3000万人を超える高水準で
推移している。

さらにオリエンタルランドは、2023年度まで
に約5000億円もの設備投資を行い、
映画『美女と野獣』『ベイマックス』を
イメージしたアトラクションを増設するなど、
拡大路線を発表している。

こうした拡大路線を背景に、
TDR周辺ではホテルの新築や改装・
増築計画がラッシュを迎えている。


このエリアのホテル開発ブームは
しばらく続きそうだ。

松浦 大

東洋経済オンライン 7月3日(日)6時0分配信

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160703-00125525-toyo-bus_all
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